カルチャー

歩行者の安全どう守る? LED埋込信号灯が新たな選択肢に

信号機のない横断歩道対策として、新たな交通安全補助装置が大阪府守口市に登場した。6月23日、大枝公園前の横断歩道に設置された埋込信号灯は、地面に埋め込まれたLEDラインが夜間点灯し、車や歩行者に横断中の注意を促す役割を果たす。

設置場所は直線道路上で車のスピードが出やすく、公園や住宅街が周辺に広がる子どもや高齢者の通行が多いエリア。以前から住民に危険視されていたが、付近に既存の信号機があるため新設が難しかった。

横断歩道の補助装置には、歩行者の動きに反応して文字が表示されたり点滅したりするタイプがあるが、今回の埋込信号灯は地面に設置することで、視線が下がりがちな小さな子どもや高齢者、歩きスマホの歩行者に有効とされる。

この信号灯の製造・販売を手がけるアトラス埋込型信号機の岩谷昌洋代表は、「信号と連動することで最大限の効果を発揮できる」と話す。韓国ではすでに、交差点の信号機と連動して赤や青に変わるタイプの埋込信号灯が普及しており、日本でも今後の導入を目指しているという。

AIカメラによる歩行者の検知や、倒れた人を知らせる異常行動通知など、防犯機能を兼ねた進化型も構想中だ。岩谷氏は、「まずは都心の交差点、次に信号設置が難しい地方の暗い横断歩道へと広げ、事故防止に貢献したい」と意気込む。

現在は守口市内の1カ所にとどまるが、住民からの評価も高く、同社では外部機関と連携して効果検証を進めている。全国展開に向けた今後の動向に注目が集まる。