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「幸福度」が高いのは70代男性、低いのは30代男性 ドクタートラストが企業のストレスチェックデータを分析

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ドクタートラスト 「ストレスチェックデータにもとづく『幸福度分析』レポート」

 

 企業で働く人の健康管理を受託しているドクタートラスト(東京都渋谷区)は、2021年度にストレスチェックの実施を受託した約32万人分のデータから年代別、性別の「幸福度」を算出。「最も幸福度が高いのは70代男性」などとする分析結果を公表した。

 調査は、同社内に設置された研究機関「ストレスチェック研究所」が2021年4月1日~22年3月31日に「ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス 」の契約企業・団体の一部(940社・団体)に実施した中から、有効受検者数32万4642人のデータを分析。「幸福度」は、「働きがい」「仕事の満足度」「家庭の満足度」に加え、仕事に対しての熱意などの状態を示す「ワーク・エンゲイジメント」の四つを尺度として算出した。

 年代別では、70代が最も幸福度が高く、30代が最も低かった。10代の若年層と60、70代の高齢層は、20~50代の中間層に比べ幸福度が高い傾向があるといい、「10代は生活上の自由度が高いこと、60、70代は役職定年などにより重責から解放されていることがあるのでは」と分析している。最も低かった30代は「プライベートでは結婚・出産・子育てなど、仕事では職務上の責任も増え、それに伴ってストレス負荷がかかっているのではないか」としている。

 男女差で見た場合、70代で男性の方がやや幸福度が高く、30代は男性の方がやや低かったものの、ほとんど性別による違いはなかった。「幸福度は性別より、年代に影響されると考えられる」と分析した。最も幸福度が低かった30代男女については、男性は「役職が上がり、下の世代と上の世代の板挟みになる場面が増える」「住宅や車などを購入し、経済的な負担が増える」、女性は「結婚、出産によってライフスタイルが大きく変化する」「職場復帰後、なかなか周りの環境になじむことができない」といった傾向が考えられるとした。

 ドクタートラストは「幸福度の感じ方は個人によって違うため、絶対的な数値を算出することは容易ではないが、個人の幸福感を高めることは、組織の幸福感向上にも貢献する。今後はワーク・エンゲイジメントを高める働き方改革の施策について、企業としても検討していく必要がある」としている。