ドクタートラスト(東京都渋谷区)は、企業の産業保健活動についてアンケートを行い、企業の担当者186人から得た回答を集計し、結果を発表した。
労働安全衛生法で、従業員50人以上の事業場は衛生委員会を毎月開催するよう義務づけられているが、開催状況について186社中81社は「対面で行っている」、67社は「対面とオンラインを併用している」、23社は「オンラインで行っている」、9社は「しばらく開催していない」などと回答した。
現在の衛生委員会で課題に感じていることについては、複数回答で「課題がマンネリ化している」が最も多く94社。次いで59社が「委員によって温度差がある」と回答し、「困っていることはない」と答えたのは49社にとどまった。
産業保健活動全般で感じていることを自由記述で答えてもらったところ、「ネタが尽きている」「衛生管理者で用意した資料と産業医の意見だけになってしまう」など、マンネリ化に悩む実態が明らかになった。
ドクタートラストで保健師として働いている清あいりさんは、産業保健活動や衛生委員会のマンネリ化で悩む企業に対し、打開策として「社内での健康課題があれば、それを衛生委員会メンバーへ分かりやすく伝え、共通の問題意識を持ってもらうことが大切。それができてこそ、解決策を話し合う次のステップに進むことができる」とし、「人の関心を引く秘訣(ひけつ)は、知りたいタイミングでの情報提供。『ニュースで取り上げられていた』『季節にかかわるテーマ』など、旬のタイミングを逃さず扱っていきましょう」とアドバイスしている。
ドクタートラストはウェブサイト「衛生委員会ハンドブック」を運営し、議題としてそのまま使えるPDF資料を無料で提供している。