「GRAND CYCLE TOKYO実行委員会」は、自転車でレインボーブリッジを渡る「レインボーライド」と、自転車をはじめとするアーバンスポーツを楽しむ「マルチスポーツ」のイベントを東京臨海部で11月23日、開催した。環境にやさしく、健康にも良いといわれる自転車をより身近にすることが目的だ。
レインボーライドは、お台場海浜公園をスタートし、レインボーブリッジや東京ゲートブリッジまでなど、用意された3コース(約32km、約19km、約8km)を自転車で走行するもので、愛好家からファミリーまで約4500人の自転車ファンが、小春日和のレインボーブリッジを駆け抜けた。
レインボーライドのゴール地点「青海R地区」では、トークショーやライブステージ、BMXのデモンストレーションなどのほか、自転車の安全啓発を図るためのブースも多数出展。多くの人が日常的に利用する自転車は依然、事故が多く、被害者にも加害者にもなりかねない。自転車による死亡事故のうち、約7割が頭部に致命傷を負っているとのデータもあることから、2023年4月の改正道路交通法施行により、全ての自転車利用者のヘルメット着用が「努力義務」となった。また自転車で他人にけがや死亡させてしまう事故を起こし、高額賠償が求められる事例も珍しくないことから、自転車保険(自転車利用中の事故で他人にけがをさせてしまった場合などの損害を賠償するための保険)への加入義務付けを条例で定める動きが、全国の自治体に広まっている。
au損害保険(東京、以下au損保)は、ブースで「ヘルメット着用の義務化」に関するアンケートを実施した。集計の途中経過を見る限りでは、自転車の愛好家から子どもまで、ヘルメット着用の義務化の認知は広がっているようだ。
一方で、自転車保険加入の伸び率は鈍化しているという。au損保が2023年1月に全国1万6635人に対して自転車保険加入の調査をしたところ、加入率は63.5%まで伸びたが、調査開始以来、最小の伸び幅だったという。政府は、2025年に75%(将来的には100%)まで引き上げることを目標としているが、一層の認知拡大が必要だ。
公道を利用する全ての人が安心・安全な生活を送れるよう、ヘルメットを着用するとともに、自転車事故に備えた保険への加入を確認しよう。