奈良のボタニカルな食文化と歴史を発信するイベント「ハーブ・スパイス・薬草 ボタニカルフードトリップ奈良」が10月2日、大阪市の阪神梅田本店「食祭テラス」で開幕した。同イベントは7日まで。大和当帰、大和橘などの奈良県産ハーブを使った食品、飲料、化粧品などの販売、体験イベント、歴史を伝える展示などが、多くの人でにぎわっている。
飛鳥時代に推古天皇の薬猟(くすりがり)が行われた奈良は、日本の薬文化のはじまりの地。大陸から伝わった薬草や和漢薬の生産も、奈良から全国に広がった。2日のオープニングでは、製薬会社のキャラクターも登場し、来訪者を喜ばせた。
イベントには、スパイスカレー、総菜、スイーツなどのほか、スキンケア用品、入浴剤などを製造・販売する奈良県のブランドが出展。薬草をハーブ、スパイスとして生かしたアイテムが多数そろう。ジンや日本酒を用意した「ボタニカルバー」もあり、奈良の植物由来をさまざまなアングルで楽しめる。初日から、大和当帰などを使ったパフェ、カクテルを味わう人の姿が多く見られた。
展示では、奈良時代に大陸などから集めた約60種の薬草をリスト化した光明皇后の「種々薬帳」(正倉院宝物)のレプリカや生薬の標本、大和の配置薬業で使われた昔の道具や看板などが並ぶ。イベントのスーパープレゼンターを務める奈良県薬事研究センターの西原正和総括研究員は、「奈良が日本の薬の発祥地であることや医食同源を、歴史を含むいろいろな形で知ってもらい、楽しく薬文化に触れてもらいたい」と話した。
期間中は、薬文化を学ぶ専門家によるトークや、スパイスを使ったカレー粉や七味づくり、塗香や入浴剤づくりなどのワークショップ、出展者によるミニトークも行われる。詳細は、阪神梅田本店ウェブサイトのイベント紹介ページで。
★日本のウエルネスライフの始まりの地、奈良!
「ボタニカルフードトリップ奈良」
10月2日(水)~7日(月):大阪・阪神梅田本店「食祭テラス」