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日本人の食習慣やキッチン環境の違いなど イケアが「料理と食事」に関する国際調査を発表 

 スウェーデン発のホームファニッシング企業イケアは、31カ国・地域の計3万1339人を対象に、2026年度の事業テーマ「料理と食事」に関する世界規模の調査を実施。日本からは約1000人が回答した。日本法人イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は、その調査結果から日本人の料理・食事の状況について発表。料理頻度、食習慣、キッチン環境、食の価値観などを世界各国と比較し、日本ならではの特徴と課題を多角的に明らかにしている。

 調査によると、日本では週7回以上自宅で料理をする人が50%と世界平均(42%)を大きく上回り、料理を日常的に行う国であることが示された。一方で「料理に自信がある」と答えた人はわずか8%(世界平均34%)にとどまり、料理を“義務”として負担に感じる傾向が強い。料理を楽しむ人の割合も25%と世界平均(40%)を下回り、日々の家事としてこなしている実態が浮かぶ。

 背景には、キッチンの狭さや収納不足といった住環境の制約がある。日本では「ものが多すぎる」と感じる人が19%と世界平均(14%)より多く、整理整頓への不満が目立つ。料理の障壁としては「時間がない」「レパートリー不足」「スキル不足」が上位に並び、共働き世帯の増加や生活の多忙化が影響しているとみられる。

 食の価値観にも特徴がある。日本は「好き嫌いがある」が多い国1位(21%)となり、スパイス料理を好む割合は調査国中で最も低かった。ちなみに「好き嫌いがある」の回答が最も少ない国は中国だった。また、世界では日本と比べて「スナック(塩味)」を好む傾向が強い一方、日本は甘いものを好きな人が50%と高い。夕食選びでは「味」と「コスト」が重視され、海外で高い「健康志向」や「調理の簡便性」よりも堅実な消費傾向が際立った。

 さらに、世界全体で食品ロスや環境負荷に対する意識は高まっているが、家庭での食品廃棄量を減らす責任があると考えている人は、世界では4割近くにのぼる一方、日本では3割程度にとどまっている。

 食事スタイルでは、6割以上が“テレビを見ながら食べる”と回答し、ながら食事が一般化。自宅にゲストを招く文化は弱く、「自宅にゲストを招いてディナーをしたことがない」人が69%に達した。ダイニングテーブルの使い方も限定的で、海外で一般的なパーティーや交流の場としての活用は少ない。日本では「一息つく場所」としての利用がやや多く、食卓の役割がより個人的な空間に寄っていることがうかがえる。

 一方で、AI時代の食の未来については、日本でも世界でも「キッチンのすべてをAIに任せる時代になる」と考える人は1割未満にとどまった。料理や食卓には、人の手や感覚、家庭ごとの文化が不可欠だと考える人が多く、技術が進んでも“完全な代替は難しい”というのが世界的な認識のようだ。