カルチャー

須雲川沿いで豪華な湯あみ 箱根「はつはな」の週末旅

シンプルで居心地の良い部屋
シンプルで居心地の良い部屋

 桜に続いてさまざまな花や緑が楽しめる季節。花粉の時期が過ぎれば長かったマスク生活にも終止符が打てる。梅雨が来る前に、のんびり温泉につかってコロナ疲れを癒やす週末旅の計画を立てるなら今だ。東京や神奈川近辺から簡単に行ける箱根は、もちろん昔からの宿も多いし、最近リニューアルして客室に露天風呂が整備されたところも多い。昨年秋にリニューアルされた「はつはな」をご紹介しよう。

展示されている箱根駅伝のトロフィー
展示されている箱根駅伝のトロフィー

 東京から車で南下すると、週末に渋滞の多い箱根湯本駅の前まで行かず、手前を箱根新道に折れていける。須雲川インターチェンジを下りると真正面が「はつはな」だ。ゆったりした車寄せで、高齢の家族の乗り降りも便利。開放感のある広いラウンジでチェックイン。すべての部屋に露天風呂がついているが、今回はデラックスのBタイプという部屋に宿泊した。アイボリー基調のシンプルなデザインで、テラスに露天風呂と湯上りにも座れるチェア。バスローブが備えてあるから、部屋でのんびり、お湯につかったり椅子に座って一息入れたり。コーヒーマシンやポット、冷蔵庫の飲みものもフリーで、のんびりできる。

部屋の露天から山の桜が見渡せる
部屋の露天から山の桜が見渡せる

 日本の宿のアメニティは至れり尽くせりで充実しているが、ここで特筆すべきはプラスチックゴミを増やさないよう、歯ブラシやシャワーキャップなどがないこと。日本の宿ではほぼ例外なく歯ブラシがアメニティとして置かれているが、海外旅だと歯ブラシ持参は当たり前。比較すると「使い捨てはもったいないなあ」と思うこともしばしば。「ない」というのは現代ではポジティブな要素だ。

 部屋のお風呂だけでも十分だが、スロープカーで下っていく大浴場も楽しい。竹林を前に寝湯のようにのんびりできる「竹の葉」、須雲川のせせらぎを楽しめる「山の端」など、周囲の自然を感じながらの湯あみができる。

 食事は季節をしっかり味わえるコース。筆者がお邪魔したのは3月末。桜の香りの食前酒からアスパラやタケノコを使ったもの、桜ダイや相州牛など、温泉旅の醍醐味(だいごみ)、上げ膳据え膳の豪華版を堪能できる。

相州牛ロースとクレピーヌ包みの炭火焼 
相州牛ロースとクレピーヌ包みの炭火焼

 ラウンジでは、各種アルコールのフリーサービスがあるほか、早朝に起きて新聞を読みながらのコーヒーも飲めるし、売店には箱根駅伝のトロフィー展示などもあって楽しめる。