『ビートルジュース ビートルジュース』(9月27日公開)
死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営む推定年齢600歳のビートルジュース(マイケル・キートン)は、かつて結婚を迫ったリディア(ウィノナ・ライダー)のことをいまだに忘れられずにいた。
当のリディアは霊能力を生かしてテレビ番組の司会者として活躍していたが、私生活では一人娘のアストリッド(ジェナ・オルテガ)との関係に頭を悩ませていた。アストリッドは幽霊の存在を信じておらず、母の霊能力もインチキだと思っているのだ。
そんな中、アストリッドが死後の世界にとらわれてしまい、リディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めるのだが…。
ティム・バートン監督が、自身の出世作となった『ビートルジュース』(88)の35年後を描いたホラーコメディー。前作に続いてキャサリン・オハラがリディアの義母を演じ、新たに霊界の刑事役でウィレム・デフォーが参加した。
前作からの35年の間にバートンもキートンも、随分といろいろな映画に手を出したけれど、結局は原点に戻って来たことになる。
見どころは、CGをあまり使わず、ミニチュアやセット、特殊メーク、独特の色遣いといった昔ながらの特殊技術を駆使して描かれる摩訶不思議な“バートンワールド”。
また、前作でも歌われた「バナナボート」に加えて、今回はドナ・サマーとリチャード・ハリスの「マッカーサー・パーク」やビージーズの「哀愁のトラジティ」といった曲が効果的に使われていた。
とはいえ、この映画は前作の知識があってこそ楽しめるところがある、前作を知らない新たな世代の観客の目にはどう映るのだろうかという興味が湧いた。
(田中雄二)