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中村勘九郎、8歳の子ども役に苦戦 息子たちを見て役作り【インタビュー】

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-初めて歌舞伎座に立ったときから、舞台に立つことの面白さを感じていたのですね。

 そうですね。稽古では録音された音で踊っていましたが、全体稽古で初めて生演奏の音で踊ったときにとても興奮したことを覚えています。鳥肌が立ち、多分、初めてアドレナリンが出る感覚を感じた瞬間だったんだと思います。

-コロナ禍の今、舞台、そして歌舞伎業界もまだまだ苦難は続いていると思いますが、勘九郎さんのこの先の目標は?

 まずは、日常を取り戻すというのが一番の目標です。コロナ禍で舞台公演がなかなか思うように行うことができなかったり、地方にお住まいの方が東京に見に来ることができなかったりという状況にあると思います。その中でも見に来てくださったお客さまには心に何かを残して帰っていただきたいと思っていますので、コロナ前よりもより意識して作品を作っていけたらいいなと思います。

-今春には「春暁特別公演2022」「陽春特別公演2022」と題し、全国巡業も行っていましたが、やはりコロナ以前よりも、お客さんの熱量を感じることが多いですか。

 まさにそうです。以前は東京や大阪に見に来ていたけれども、来ることが難しい状況になり、地元に巡業に来るのを待っていたという方がたくさんいらっしゃいました。その思いが客席からあふれているのを感じることができましたし、僕たちも感謝の気持ちでいっぱいでした。

-改めて、本作の見どころと意気込みを。

 スペクタクルと銘打っているからには、見に来てくださったお客さまの五感を揺さぶれる作品にしたいですし、日々のつらさや悩みを忘れられる2時間にしたいと思います。プロジェクションマッピングも、生演奏もあり、お客さまも初めて見るような作品が広がっていると思います。皆さまと一緒に「初めての体験」を共有できたらいいなと思います。

(取材・文/嶋田真己)

中村勘九郎

 スペクタクルリーディング「バイオーム」は、6月8日〜12日に都内・東京建物Brillia HALLで上演。
公式サイト https://www.umegei.com/biome/