-背景のリアルさを実現させた方法は?
ピット まず撮影したのが…。
リーチ 背景だ。
ピット そう。東京から京都までの景色を撮影した。あの巨大画面は新幹線の2~3両分ぐらい?
リーチ そうだね。
ピット その画面を車両の両側に設置して、いつでも必要な背景を表示できるようにした。そのおかげで、退屈な防音スタジオのようには感じなかった。実際に移動している感覚があったんだ。一部のスタッフは乗り物酔いをしていたよ(笑)。
-なぜ、フラッシュバック(物語の進行中に過去の場面を組み入れるモンタージュ手法)を使ったのですか。
リーチ 列車のシーンから退避するために、フラッシュバックは必要だった。列車の旅は約2時間続く。素晴らしいセットではあったけど、外の世界も入れたかった。ホワイト・デスやウルフの物語も見せたかった。それを数分間見せてから列車に戻るのは、僕がこだわった構成だ。退避とともに、映画もよりワイルドになる。旅に彩りを与えようとした。それぞれの人物が、これまでたどってきた旅を、運命の旅として表現したかったんだ。
(構成/田中雄二)