-生瀬さんにとって、俳優として大きく変わった出来事やターニングポイントはありましたか。
そういう話があればいいんですけど(笑)、僕は、まず、振り返らないんですよ。過去に興味はないんで。興味があるのはこれからどうなっていくかということだけなんです。自分はどんな俳優になるんだろうとか、どう見られているんだろうと、それは気になります。
-「こうなりたい」とイメージしていることもない?
ないです。だから、本当に自分でも分からないんですよね。ここまで途切れずにずっと仕事をしてきたので、ここで急に変わったということもないですし、大病をしたわけでも、皆さんに認知していただけるような役どころもないですから(笑)。「ごくせん」や「トリック」を挙げてくださる方もいるんですが、自分の中では特別にこれだということでもないんです。
-「ごくせん」も「トリック」も生瀬さんの演技は非常にインパクトがありましたし、世間的な知名度も高まった作品だったように思いますが。
確かに「好きです」とか「楽しかったです」と言っていただけるので、それはすごくうれしいんですが、自分ではもう恥ずかしくて見られないです(笑)。どちらかというと、汚点に近いですから。なんでこんな芝居をしたんだろうと今は思います。ただ、それは僕からするとすごく健康的な考えなので、もちろん、後悔ということではないです。僕は、後悔をすることもないので。
-常にポジティブシンキングなんですね。
マージャンをやっていてもそうですが、どちらのパイを捨てるかの選択をした後で、「どうしてあっちを捨てちゃったんだろう」と考える時間はもったいないですよね。先に進んでいかないといけないですから。だから、後悔は無駄な時間です。ただ、反省は必要だと思います。
-最後に、改めて公演への意気込みをお願いします。
私ができることは全てやって臨みます。なので、見逃したら後悔すると思いますよ(笑)。後で人から「よかったよ」と言われたら悔しいと思うので、ぜひ時間を作って見に来ていただければと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
「2022年劇団☆新感線 42周年興行・秋公演 SHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2‐海賊女王の帰還‐』」は、9月9日~11日に富山・オーバード・ホール、11月1日~12月6日に都内・新橋演舞場ほか、新潟、大阪で上演。
公式サイト http://www.vi-shinkansen.co.jp/barasamu2/