菊池桃子主演のドラマ「婚活食堂」が毎週土曜、深夜0時からBSテレ東で放送中だ。山口恵以子の同名小説をドラマ化した本作は、おでん屋「めぐみ食堂」の女将(おかみ)・玉坂恵がおいしい料理と温かな助言で、常連客たちの婚活を成功に導いていくハートウォーミングな縁結びグルメドラマ。本作で元占い師の女将・玉坂恵を演じている菊池が、撮影現場の雰囲気やドラマの見どころ、さらには家族の心をつかむ自身の得意料理や夫婦円満の秘訣(ひけつ)を語ってくれた。
-まずは、本作の話を聞いたときの気持ちと、原作を読んだ感想を教えてください。
オファーを受けたときに原作が小説であると聞いて読ませていただいたのですが、すごく力強くて優しさがあふれる作品で、原作自体が大好きになりました。こんなにすてきで力強い原作があるのだったら、玉坂恵役をやらせてもらいたいなと思いました。
-玉坂恵というキャラクターは、おいしい料理と温かな助言で、常連客たちの婚活を成功に導いていく役柄ですが、演じてみて、ご自身と重なる部分はありますか。
恵さんは特別な能力を持っている元占い師なので、そこは私とは大きく違うところですが、心の動きという意味では、すごく似ていると思います。恵さんは人に優しくありたいと思っているのですが、それは私も日頃から気を付けていることで、ご縁のあった人には少なくとも、この人と人生で出会えてよかった、一緒に仕事をしてよかったと思ってもらいたいな、そういう人でありたいなと思っているので、そこは共通していると思います。
-撮影現場の雰囲気はいかがですか。
現場には、いつもおでんのお鍋があるので、お鍋を囲みながら、みんなの顔がほころんでいます。そのお鍋の中には、フードコーディネーターの方が手を抜かずに作ってくださった本当にいい物が入っているので、現場の私たちはもちろん、視聴者の皆さんも画面越しに目で楽しんでいただけると思います。
-作中に登場する料理の中で、実際に作ってみたいなと思う料理はありましたか。
餅巾着やカニのおでんなどの料理はもちろん、印象的だったのは、おだしです。分厚い削り節と昆布に、いいお塩を使って取ったシンプルなものですが、おだしだけでこんなにもおいしいんだということを改めて知りました。
-菊池さんは料理は得意な方ですか? 旦那さんやお子さんの心をつかんだ得意料理があれば教えてください。
皆さんが家庭料理と想像するものは何でも作れます。私は煮魚が得意だと思っているのですが、家族はそれぞれ「ママの何々がおいしいよね」と違うことを言います。主人には、日々サラダ用のドレッシングを自作するのですが、その種類の豊富さに驚いてくれます。娘はお煮しめが得意だと言ってくれますし、息子は冷蔵庫にある物でアレンジしたご飯を作るのが上手だと絶賛してくれます。
-本作は、一度は力を失った元占い師の玉坂恵の再生物語でもあります。菊池さんは、これまで挫折したり、壁にぶつかったときは、そこから立ち上がるためにどんなことをしましたか。
周りの方に助けていただいたなと思います。周りの方が一緒になって考えてくれたり、新しい道を教えてくれたりしました。もし今、周りにアドバイスを聞ける人がいないという方は、恵さんのような女将さんがいる食堂や飲食店を見つけるのも一つかなと思います。人と食べ物を食べるとリラックスするなんていいますが、肩肘張らずに自分のことをポロっと打ち明けることができる場所で、いつもはいえない弱音を話したりということは、皆さん、ぜひしていただきたいなと思います。