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ロバート・ロドリゲス監督最新作『ドミノ』製作のきっかけはヒッチコックの『めまい』 ロドリゲス監督がヒッチコック愛を語り尽くす

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 ベン・アフレックとロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだサスペンス映画『ドミノ』(原題:Hypnotic)が、10月27日(金)から全国公開される。

 ある日、刑事のダニー(アフレック)の娘が公園で行方不明に。そんな中、銀行強盗を予告する情報が入り、現場に向かったダニーは、接する人々を操るような不可解な動きをする男を発見。やがて、その男が娘の消息に関係していることを知ったダニーは、男の後を追うが、彼は追い詰めても目の前から姿を消す“絶対に捕まらない男”だった。

ロバート・ロドリゲス監督

 同作の構想に20年の歳月をかけたというロドリゲス監督は「2002年に4Kリマスター版で再公開されたヒッチコックの『めまい』(58)を見たことで脚本を書き始めた。もともと彼の映画の大ファンで、ひねりの利いたスリラー作品を自分でも作りたくなった。それがこの映画の製作を初めて意識した瞬間だった」と振り返る。

 また、ロドリゲス監督は「『めまい=Vertigo』『白い恐怖=Spellbound』(45)『サイコ=Psycho』(60)など、ヒッチコックの作品にはワンワードのタイトルが多い。だから今回は、ヒッチコックが付けそうなタイトルはどんなものかと考えた。その時 『催眠術(=Hypnotic)』というタイトルが思い浮かび、物語の軸もすぐに思いついた」という。

 そして、「『ドミノ』の物語の軸は、目の前にいるのに存在を感じさせない悪役。彼は欲しいものを何でも奪って立ち去っていく、究極の力を持つ男だ。脚本を練り上げ、多くの仕掛けを仕込んだ。観客には何が現実なのか分からないところが面白いと思う。さらにヒッチコックの(強盗犯に間違われた男の恐怖を描いた)『間違えられた男』(56)のような物語になっている」と明かした。

 加えて、ロドリゲス監督は「現実と見まがうばかりの世界で、追われ、追い詰められる、謎だらけの世界を観客に見せられると思った。謎が謎を呼ぶドミノのような展開は、ヒッチコックの諸作からインスパイアされた」と語る。

 主演のアフレックの起用についても、「ケーリー・グラントやジェームズ・スチュワート、グレース・ケリーにイングリッド・バーグマン…、ヒッチコック映画の要は配役だ。だから今回もスーパースターを配役したかった。ベン・アフレックはヒッチコック的な神秘性を映画に与えてくれた。彼は娘を捜す父親であり、情け容赦のない刑事でもある。彼のスター性と存在感によって、ヒッチコック映画を撮っているような気分になった」と喜びを語った。