ーでは、高島さんにとっての宝物は?
来年、還暦を迎えますが、これまでたくさんの方に支えていただき、苦しい時も幸せな時もそばにいてくれた友人や家族を含めて、人間関係は私の宝物です。人間関係に支えられてここまで楽しく生きてこれたと思ってるので、人とのご縁はすごく大切にしていきたいなと思います。
ー年齢を重ねても、若く、美しくいられる秘訣(ひけつ)は?
自分ではそう思っていないですが、でも、先輩の女優さんたちは皆さん、お若いですよね。お元気だし、おきれいなので、自然といい見本を見てこれたというのはあるのかなと思います。私自身は、あまり美を突き詰めてきた記憶はないんですよ。なので、これから頑張りたいなと。これからはこのままではダメだと思うので、紀香ちゃんからいろいろと学んで、きれいに、元気でいられるようにということを意識して努めていきたいですね。
ー今後のお仕事の目標を教えてください。
昨年の夏くらいからおばあちゃん役をいただくことが多くなったんですよ。ああ、私はもうそうした役をやる年齢なのかな? と不思議に思っていたのですが、この60歳の体力だから、おばあちゃん役ができるんだなと気付きました。撮影は体力勝負なので、この年齢だからおばあちゃんができる。これが本当に70歳、80歳になってしまったら、せりふを覚えられるのかとか、正座をし続けることに耐えられるのかとか、ハードな撮影スケジュールに耐えられるのかとか、さまざまなハードルが出てくると思います。なので、今、来るべくしてきたんだなと思いました。それに、今、そうした役をやることで、また別の楽しみも生まれてきました。私は仕事が趣味みたいなところがあるんですが、今、すごく楽しいんです。おばあちゃん役はこれからもどんどんやっていきたいですね。
それに、今回は男装もするのですが、何にでも挑戦していきたいです。実は、ここ数年は、それまでNGにしていたクイズ番組にも挑戦しているんですよ。頭がいい役柄ばかり演じていたので、クイズ番組に出てそのイメージと違うことをしてしまったらいけないと思っていたんですが、最近はそういうことではなく、楽しむということを覚えた。それは、周りのご縁のおかげです。やっぱり自己流はダメ。周りの方のアドバイスをしっかりと聞かないと。年齢を重ねれば重ねるほど、自己流になってきちゃいますよね。頑固になる。けれど、人の話に耳を傾けて、自分の中の引き出しを開けることができる人間になりたいです。
ー改めて作品への意気込みと、読者にメッセージをお願いします。
お客さまにどれだけ楽しんでいただけるかをテーマに頑張っていきたいと思います。いらっしゃる方たちの心に少しでも長く留まる作品になるよう頑張りますので、お寒い中になりますが、足を運んでいただければと思っております。
(取材・文・写真:嶋田真己)
明治座創業150周年ファイナル公演 舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」は、2月6日~3月3日に都内・明治座で上演。