-父親役の阿部サダヲさんと憧れの先輩役の加藤清史郎さんとの共演はいかがでしたか。
阿部さんとは久しぶりにお会いしたんですけど、本当の親子のように安心感のある雰囲気を作っていただいて、私の演技を引き出していただきました。清史郎くんとはドラマ「最高の教師」で共演した時は敵対する役でしたが、今回は恋人同士で…。だから「ちょっと面白いね」なんて話をしたりして、和気あいあいの感じで撮影をしました。
-武内監督の印象は?
先に細胞パートを撮影されていたので、「細胞たちはこんなふうになっていたんだよ」とか、「このシーンはこういう風に撮影して、こんな感じでみんな頑張って体の中で戦ってくれていたんだよ」なんて話をしてくださったので、演じる時にとてもイメージがしやすかったです。監督の別の作品も本当に面白くて、大好きなものがたくさんあります。今回は『はたらく細胞』という作品自体もすごく好きだったので、その中の一員になれることがうれしかったですし、監督と一緒に演技をさせていただけるのも楽しかったです。
-自分が病気になる役についてどう感じましたか。
そういう役を演じているので、そのことについてはそんなに抵抗はありませんでした。むしろ自分は、見てくださる皆さんが感情移入しやすいような形がいいと思うタイプなんですけども、一緒に試写を見てくださった周りのスタッフさんとかマネジャーさんが「悲しくなる部分があった」と、すごく感情移入してくださったのがうれしかったです。
-体内パートとは別撮りだったと思いますが、体内パートをやってみたかったと思いましたか。
参加させていただけたら楽しそうだなという気持ちはありました。少しうらやましかったです。
-やってみたい役はありましたか。
皆さん本当に役にぴったりだったので…。でもマクロファージ先生(松本若菜)がすごくかっこいいなと思っていて。細胞の役割としても、ある時は殺し屋だったり、ある時は清掃員だったり、またある時は学校の先生だったりと、いろんな面を持っていて、すごくかっこいいキャラクターなので憧れます。
-完成作を見た感想を。
細胞パートが、アクションシーンもたくさんあって自分が想像していた100倍すごかったです。もちろんいろいろとイメージしながら演技をしたんですけど、日胡ちゃんの体内が予想以上に、こんなに大変なことになっていたんだというのが衝撃的でした。でも、本当に笑いあり涙ありでとても面白くて。最後の方の日胡ちゃんのせりふにもあるように、本当に細胞たちに心からありがとうって言いたくなるような作品だと感じました。細胞たちがいつもこんなに頑張ってくれていることを知って、細胞たちへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。見てくださる皆さんも、そんなふうに感じていただけたらうれしいです。
-最後に、映画の見どころや芦田さんからのメッセージを。
本当に学びながら見ることができるというか、学んでいればいるほど、本当にぴったりで、びっくりさせられるんです。こんなふうに体の中で起こることを面白おかしく、でもきちんと描いている点がすごくすてきだなと思いますし、アクションシーンもたくさんあって大迫力です。ちょっと風邪を引いたり、どこかにぶつけてしまったら、細胞たちに「ごめんね」って気持ちになったりするので、皆さんにもそんなふうに思っていただけたらと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)