
-劇中では、5人で花火をするシーンが美しく印象的ですが、撮影はいかがでしたか。
奥平 あそこは、5人とも役ではいるんだけど、正直言って、普通に花火していただけだよね。
出口 本当にそのまんまの5人で遊んだって感じで。
菊池 モクモク出てくるへび花火がすごく楽しかった記憶がある。
奥平 監督もたぶん、あえて演出しないようにしていたんじゃないかな。花火のシーンに限らず、アドリブのシーンが多かったし。台本も、本来ならせりふが書いてあるはずのところが空欄になっていたりして、自由な部分が多かった。
菊池 そういうところも、たくさん使っていただいて。私は、京くんとミッキーが花火越しに見つめ合うシーンの2人の表情が良すぎて、涙ぐんじゃった。
出口 そうなの?
菊池 ちょっと切なくて。
早瀬 わかる。私もアフレコのとき、あのシーンを見ながら大号泣して、アフレコブースから出てきたら、みんなに笑われて(笑)。
一同 (爆笑)。
佐野 でも、よかったな、あのシーン。
菊池 あれを見て、絶対いい映画になるって確信した。

-共演する中で印象的だったことを教えてください。
佐野 後半で、ヅカとパラが2人で会話する緊迫したシーンがあるんだけど、その撮影の1週間くらい前から…。
菊池 しゃべらなくなった(笑)。
佐野 それまで仲良くしゃべっていたのに、その日だけめっちゃ冷たかった(笑)。「そんなに(役を)作るんだ?」と思って。
奥平 そうなんだ? 全然気付かなかった。
菊池 そのシーンはものすごく緊張していたんだよね。クランクインしたときから、カレンダーの撮影日に大きく印を付けていたぐらい。
早瀬 でも、みんなが空気を作ってくれた感じはすごくある。私だけ、クランクインが一日遅くて、前日にホテルに行った時、スタッフさんから「みんな今日の撮影で仲良かったから、エルみたいに1人になるかもよ」と怖いことを言われたんだけど…(笑)。私が一番年下で1人だけ年齢も離れているから、仲良くなれるかな?という緊張感もあったんだけど、すぐにマサやんがカメラを向けて、写真を撮ってくれて。おかげでみんなの輪にスッと入っていくことができた。
出口 現場に入った直後、私が1人で座っていたら、最初に話しかけてくれたのもマサやんだった。
奥平 そういえば、誰が最初にイコちゃん(=早瀬)からタメ口を使われるか、競争していたよね。
早瀬 知らないから、私それ。
佐野 1位誰だっけ?
奥平 多分、マサやんで。
出口 マサやんじゃない?
菊池 待って待って。私、絶対最初にイコちゃんと仲良くなってた。
佐野 いや、絶対俺。
菊池 いや、私。(クランクイン前の)お祓いの日に仲良くなったと思ってたんだけど…。
佐野 それは社交辞令です、初日だから(笑)。
早瀬 衣装合わせですれ違ったとき、一番最初に声をかけてくれたのがヒナ(=菊池)だった。だから、ヒナが最初ってことで(笑)。
佐野 負けた…。
出口 でも私も、人見知りが激しいので、撮影が始まるまでは1人でいた。
奥平 そうだったよね。途中から、表情が変わったけど。
出口 現場ではいつもそうなの。前回、奥平さんと共演したときも…。
奥平 すごく静かだった。
出口 今回は、みんなの空気感が本当に居心地がよくて、私も緊張感が全部抜けて、ありのままでいられるようになって。だから、私がミッキーでいられたのは、みんなのおかげです(笑)。
(取材・文/井上健一)
