エンタメ

川島鈴遥、森田想「この映画は、ちょっと落ち込んだ時とかに見るといいかもしれません。きっと心が軽くなります」【インタビュー】『いろは』

-本作は長崎地方が舞台でしたが、最近、地方色が強い映画が多いと思います。その辺りはどう感じますか。

川島 もし自分が旅行で行くとしても、ここは見つけられないかもって思うような場所でも撮影したので、普段見られない景色や美しい景色を見られたことはすごくよかったです。横尾さんが長崎を歩いていると、町の皆さんから話し掛けられて、町がにぎやかになっているように見えて。何か映画の存在する意味みたいなものを見いだしている気がして、とてもすてきだなと思いました。

森田 私は地方色が強い系にとてもご縁があるので、自分の過ごし方も決まっている感じで、慣れてやれる部分があります。理想は、本当にその土地に住んでいるかのような雰囲気を感じてもらうのが一番ですけど、それはなかなか難しい。でも、今回は、自分の目に入る長崎の景色や、食事もそうだし、地元の方たちとの会話から、一つずつすくい上げて、映画の中に長崎色というものを強く出していけたらいいなと思いました。完成した作品を見て、ロードムービーの良さも入っているし、人の良さも入っているということで、すごくいいと思いました。

-2人が本音をぶつけ合う防波堤のシーンがとても印象的でしたが、撮影でもあそこは一番根っこになるところでしたか。

川島 そうですね。あそこに向けて旅をしていたような感覚もあります。撮影前にも「あそこはアドリブで行きたい」と監督もおっしゃっていたので、旅をしながらどんなことを感じて、どういう言葉を発するんだろうというのを楽しみにしながらあのシーンを迎えました。

-アドリブだったんですね。

森田 そうです。ほぼアドリブ。一応台本にはせりふが書いてあるけれど、願わくば自分の中から出てくる言葉になればいいみたいな感じでした。

川島 完成した映画を見た後で台本を読み直したんですけど、結構違うことを言っていて、覚えていないぐらい熱中しながらお芝居をしていたと思います。

-完成作を見た印象を。

川島 最初は伊呂波と花蓮が、それぞれ違う方向を向いていて、ちょっととがった部分もあって、何かヒリついた姉妹って思いながら見ていたんですけど、途中から2人がすごいかわいく見えてきました。それはきっと3人の男性や旅館の姉妹と出会ったりして、人と触れ合っていく中で、顔つきや言葉や音の出し方が変わっていったからだと思います。旅をして人が変わっていくのってこういうことなんだなと。だから人と人とのつながりをもっと大事にしたいと思いました。

森田 想像以上でした。ずっと2人でいることが多かったし、全体の流れは知っているけど、絵が想像できないという感じでした。でもそれがちゃんとつながっていて、長崎の景色もすごく丁寧に折り込まれていました。全体的に、間延びせず凝縮されていたので、空気の閉じ込め方みたいなものがすごく面白かったです。

-観客や読者の皆さんに向けて、アピールも含めて一言ずつお願いします。

川島 私自身も日々いろんなことに悩んだりしながら突き進んでいるんですけど、自分もこの映画に、「そのままでいていいんだよ」って救われたような感覚があります。なので、この映画を見て、明日の足取りが少しでも軽くなったらいいなと思います。ぜひたくさんの方に見ていただけたらと思います。

森田 日々心にたまっていることや、言うに言えない悩みがあったり、そういうモヤモヤした気持ちの時って、すごくハッピーなものはあまり見る気がしないんですけど、この映画は、そういう気持ちの時に、寄り添ってくれるような優しさがあると思います。ちょっと落ち込んだ時とかに見るといいかもしれません。きっと心が軽くなります。ハッピーな時に見るのはあまりよくないかもしれません(笑)。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2026 BLUE.MOUNTAIN