日経平均が34年ぶりに最高値を更新しただけにとどまらず、初の4万円大台乗せを果たすなど堅調な地合いを継続する東京株式市場。だが、このように株価が上昇しても、景気が良いという実感がないという声が多く聞かれる。そうした中で、帝国データバンク(東京)は、全国2万7443社を対象とした2024年2月の国内景気動向を調査・集計(有効回答企業1万1217社)し、景気DI (景気の方向性を示す指標)として発表した。
それによると、2024年2月の景気DIは前月比0.3ポイント減の43.9となり、2カ月連続で悪化。景況感が悪いと感じる企業が多い様子で、景気に対して良いという実感がないという世間の声を反映する結果となっている。
この結果について帝国データバンクでは、国内景気は消費者の節約志向の高まりや自動車の生産・出荷停止などが悪材料となり、小幅ながら悪化傾向が続いているが、今後の景気について夏以降から賃上げなど個人消費を中心に緩やかに持ち直すと分析している。
地域別では、10地域中7地域が悪化する一方で、3地域が改善した。能登半島地震による影響が北陸地方を中心に引き続き表れたほか、天候不順や自動車の生産停止なども下押し要因という。