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サントリー、日本食に合う国産ワインを開発 「赤玉プレミアムブレンデッドワイン」で市場開拓へ

日本食との相性を研究して開発した「赤玉プレミアムブレンデッドワイン」

 ワインといえば、かつてはフランス産やイタリア産など輸入ワインが主流だったが、近年、国産ワインの評価が高まっている。ただ、食中酒で飲むことが多いワインは、洋食と一緒に楽しむというイメージが強く、日本食には合わないと思っている人が多いという。

 サントリーはこのほど、日本食に合う国産ワイン「赤玉プレミアムブレンデッドワイン」を開発。国内ワイン市場に新たな需要を生み出すとして8月20日、東京都内で発表会を開いた。

 ▽1000円台が安心

 サントリーによると、家庭内でお酒を飲む場合、「夕食時」が最も多く、「食事に合う」と感じるお酒はビールに次いでワインが多いという。ワインを飲みたいというユーザーは多いものの「選ぶのが難しい」「高いワインには手が出ないけど、安すぎるのも怖い」といった声があることから「1000円台がちょうどいい」と考える層をターゲットにした。

 発表会で登壇した吉雄敬子・常務執行役員ワイン本部長は「(ラベルに)フランス語などではなく、日本語で書いてあるので選びやすい」と国産ワインのメリットを強調した。

吉雄敬子ワイン本部長。「ワインは難しいものではない。もっと生活に根付いてほしい」

 

 ▽原点のブランドを採用

 サントリーといえば、ウイスキーのイメージ強いが、1907(明治40)年に発売した「赤玉ポートワイン」(現「赤玉スイートワイン」)が酒づくりの「原点」だ。同社の「祖業」と位置づける「赤玉」ブランドは、今でも認知度が高いことから、新開発したワインに「赤玉」の名称を採用した。

 石井勝・国産ワイン部長は「和食には砂糖やしょうゆ、みりんといった調味料を使うので甘みのある味付けになり、ワインを選ばずビール類など缶のお酒が主になっている」と説明。複数の厳選したベースワインにブランデーやハーブスピリッツといった原料酒をブレンドした新商品で「日本の新しい食中酒づくりに挑む」と話した。

「安心して選べる、日本の食卓に合うワインを提案する」と話す石井勝・国産ワイン部長

 

 ▽中間価格帯で需要創造

 サントリーによると、800~2000円の中間価格帯のワインで、国内製造ワインは市場規模の1割程度しかないことから、吉雄本部長は「今までチャレンジしていなかったが、大きなチャンスになる」と話し、未開拓だった市場に「日本食に合う国産ワイン」で乗り出す方針だ。

 「赤玉プレミアムブレンデッドワイン」(赤)は9月16日発売。750ミリリットル瓶で想定価格は1320円(税込み)。