カルチャー

世田谷美術館に古今東西の動物作品が登場 「わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち」開催

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 さまざまな手法で表現された古今東西の、動物を描いた芸術作品およそ120点が登場する「世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち」が2月18日(土)から4月9日(日)まで同美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)で開催される。

 人は太古の昔から、いろいろな動物たちと共に生きてきた。生活を豊かにするためにその力をもらい、わたしたちを生かすためにその命をいただき、時には家族として、また友だちとして寄り添い、しかし一方、時には、圧倒的な存在として、あこがれや恐れも感じてきた。
 そういった動物たちはアーティストの格好のモチーフとなり、古今東西、人は動物を描いてきた。描かれた動物たちは、人の心を宿し、人の思いを乗せ、見るものを見つめ返す。

 この展覧会は、この時代に想像力豊かにたくましく生きるわたしたちのための展覧会だ。「セタビ」こと世田谷美術館のコレクションの中から、選りすぐりの作品たちが紹介される。それはあたかも不思議な森の中に迷い込み、思わぬ発見をするような体験になるかもしれない。絵画に、彫刻に登場する動物たちとの出会いが楽しめるだろう。

宮本三郎 《乳牛》 1958年頃 世田谷美術館蔵
宮本三郎 《乳牛》 1958年頃 世田谷美術館蔵

 犬、猫、牛など身近な動物から、ヒョウ、アルマジロなど普段なかなか見られない動物、そしてペガサス、ケンタウロスのような想像上の動物まで、100種類以上が登場。絵の中の動物を探したり、あてっこをしたりなど、小さな子どもから大人まで楽しめる。また油彩、日本画、版画、彫刻とジャンルも多彩な作品が展示され、動物の表現の多彩さも味わえる。

 世田谷美術館は、四季折々の自然が楽しめる広大な砧公園の一角にある。早春の光と風の中、森のような公園でゆっくりと散策を楽しみ、美術館に着いたらまた別の森に入り込む——そんな楽しみ方ができるのも、豊かな自然環境に恵まれたセタビならではの贅沢さ。本展の会期末にあたる3月下旬から4月上旬には、砧公園では840本もの桜が次々と開花。お花見と美術鑑賞を心ゆくまで堪能できるだろう。

稲垣和雄 《箱入り猫》 1970年 世田谷美術館蔵
稲垣和雄 《箱入り猫》 1970年 世田谷美術館蔵

 1986年の開館以来、区立小中学校の子どもたちの来館を毎年約8000人迎え入れ、その子どもたちを案内する「鑑賞リーダー」とよばれるボランティアが現在400人以上活動する世田谷美術館は、地域に密着した教育普及活動を行う美術館の草分け。本展では、そのような活動を生かし、区内の小学校とのコラボから生まれたプロローグを準備する。子どもたちがそれぞれの思いを込めた動物たちが、来場者をあたたかくお迎えする。

 多彩な作品を見終わったあと、自分でも何か表現してみたくなることもあるかも。来場者が自由に創作できるコーナーも設けられる。

 本展は世田谷美術館の1階展示室で開催。開館時間は午前10時から午後6時まで(最終入場時間は午後5時半)。休館日は月曜日。観覧料は、一般500円、65才以上は400円、大高生400円、中小生300円、未就学児無料。問い合わせは電話050-5541-8600(ハローダイヤル)、世田谷美術館公式サイト展覧会ページも。