食品の値上げに悲鳴を上げる昨今。日本が抱える食糧危機について考えるよい機会ともいえる。手っ取り早く理解したい人のために、『マンガでわかる日本の食の危機』(鈴木宣弘著、方丈社・東京)が発売された。「買いたくても買えない」という深刻な危機について、今ならかなりシビアに向き合えそうだ。
輸入品の残留農薬や遺伝子組み換え・ゲノム編集食品、EUでは輸入が禁止されている成長ホルモンを使用した肉など、食の安全についての議論は多い。日本の食料自給率は先進国中(G7)最低で、タネや肥料のほとんどを輸入に頼っている。有事などで輸入が止まれば、即刻食卓に響く。苦しんでいる酪農家への取材も行い、日本が直面している食の質と量の危機に対する課題を、リアルに伝える一冊だ。税別1500円。