誰にでもある、若い頃の挫折。落ち込んでいるときには、周囲の人間がアドバイスしても、それを素直に聞くことすらなかなか難しいもの。特に親の言葉は、説教がましくなりがちだからなおさらだ。そうであるなら、子どもが壁にぶつかって悩む前に、こんな本をプレゼントしておくのもいいかもしれない。
25人の賢者(偉人)たちの生き方を通して壁を乗り越えるすべを提示する『賢者に学ぶ、「心が折れない」生き方』(真山知幸・著、誠文堂新光社、税別1400円)だ。ソクラテス、マゼラン、吉本せい、エジソン、松下幸之助、チェ・ゲバラ、勝海舟、津田梅子など、歴史上の人物が実際に経験した苦難や挫折を、どうやって乗り越えたかを紹介している。
小学校高学年~中学生向けとして、漢字にはすべてルビをふり、各エピソードの冒頭はマンガ仕立てにするなど、読みやすい工夫もされており、困難を乗り越えた場面にポイントを絞ることで、難しい啓蒙(けいもう)書でも偉人伝でもない、共感できる実話としてまとめられている。各エピソードの最後には、「心が折れないポイント」も付いていて、何度でも立ち直れる、しなやかなメンタルをつくる方法を自然に学べるようになっている。10代のうちに読んでおきたい一冊だ。