カルチャー

『涙にも国籍はあるのでしょうか』 津波で逝った外国人の足跡

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 能登半島地震の苦難と重なるのはやはり東日本大震災。あれから12 年、東北を取材し続けてきたルポライターが初めて知った事実は、「東日本大震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」ということだった。彼らは東北の地でどのように生きたのか、把握されていない被災者をたどった『涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―』(三浦英之著、新潮社、税込み1925円)が発売された。

 開高健ノンフィクション賞、2021LINEジャーナリズム賞、第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞など数々の賞を受賞してきた著者の最新作のテーマは「津波で亡くなった外国人と、彼らの記憶を胸に生きる人々」。大好きな日本で過ごす喜びをつづったメール、「米国と日本の架け橋になりたい」と夢を語った親友の声、3人のわが子を失った苦しみの先に見出した希望。彼らはなぜ日本に来たのか、日本でどのように暮らしていたのか、そして彼らとともに時間を過ごした人々は、震災後どう生きてきたのかを追った一冊だ。