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東アジアの芸術が競演「第3回東アジア文化フェスタ」 めったに見れない妙技が集結

 「東アジア文化フェスタ実行委員会」(東京)は、“虹をかけよう東アジアの空に”をスローガンとして掲げ、日本、中国、韓国、朝鮮の芸術が競演する「第3回東アジア文化フェスタ」を8月21日に開催する。

 今回のフェスタの目玉は、中国の国家機密ともいわれ、そのからくりが門外不出とされる「変面(へんめん)」。踊り手が顔に手をかざしたりマントを翻したりした瞬間、目にも止まらぬ速さで喜怒哀楽を表現するマスクが変わる技で、日本で本格的な変面を鑑賞できる機会は数少ない。フェスタで演じるのは、残留孤児2世の劉妍(りゅう・けん)さんと、夫の劉東風(りゅう・とうふう)さん夫妻。現在はともに日本在住の2人が演じるのは、変面に京劇の動作を加えたオリジナルの「双人変面」。1回の演技で顔を変えるのは通常は20回程度だが、2人は40回ほども顔を変えることができ、見ごたえ十分。

 他にも多彩な演者の出演が予定されている。「東京朝鮮中高級学校舞踊部」が演じるのは本格的な朝鮮民族舞踊。学校が朝鮮民族の伝統文化継承に力を入れていることもあり、過去には海外でも公演するなど技量は折り紙付き。韓国の民族楽器のカヤグム(弦楽器)、ヘグム(同)、そして非常に珍しいピリ(笛)の共演も見もの。中国からは他にも、バリトン・ソプラノ歌手や二胡、太極拳のプロが出演。日本を代表しては、民族歌舞団「荒馬座」が和太鼓に乗って勇壮な踊りを披露。また、沖縄・奄美の舞踊を創作し国内外に紹介する創作舞踊集団「伊是名(いぜな)の会」の琉球舞踊が優雅に観客を魅了する。

 文化交流を通じた相互理解の糸口とすることで、国々が互いの文化を知り、多様性を受け入れ、共存するための基盤を築く。それによってアジアの平和に寄与することを願っている「東アジア文化フェスタ」。コロナ禍で開催を控えてきたため2019年以来5年ぶり3回目となる今回のフェスタは、日本では普段見る機会の少ない技を含む、各国の本場の多彩な舞踊や演奏が、一同に集まる貴重な場になる。

 「第3回東アジア文化フェスタ」の会場は東京都北区の「北とぴあ・さくらホール」。定員は1300人。鑑賞券は全席指定でS席4000円、A席3000円、B席2000円、小・中・高校生・障がい者1000円。当日券は各500円増し、全て税込み。車いす席も用意している。予約申し込みなど詳細は、日中友好東京文化センターへ。

中国伝統技能「双人変面」