カルチャー

“その頃”の視線で美術を眺める 石橋財団アーティゾン美術館で「空間と作品」展

 美術館で絵画や彫刻を見る時、作品を単独で鑑賞することはできても、その作品が作られた当時の空気を感じるのはなかなか難しい。石橋財団アーティゾン美術館(東京)で始まった「空間と作品」展では、美術品がどのような状況で生まれ、どのように扱われ受け継いでこられたのか、その時々の場を想像し体感できるような展示を楽しめる。

 美術館の展示室に整然とならぶ美術品は、今では鑑賞の対象だが、作品が生まれた当時は邸宅の建具だったり、プライベートな部屋を飾るために描かれたりと、それを所有する人との関係によって生み出されたものが多い。時を経る間に何人もの手を渡り、受け継がれてきたものもある。展覧会では、モネ、セザンヌ、藤田嗣治、岸田劉生、琳派による作品や抽象絵画まで、古今東西さまざまな分野の144点が、どのような状況で生まれ、どのように扱われ現代に至っているのか、その時々の場を想像できる展示空間になっている。

 会期は10月14日まで。開館時間は10時~18時(毎週金曜日は20時まで・入館は開館の30分前まで)。休館日は月曜日(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17日、9月24日。アーティゾン美術館はウェブ予約チケット購入サイトからの日時指定予約制。入館料(税込み)はウェブ予約チケット1200円、窓口販売チケット1500円、学生無料(要ウェブ予約)、中学生以下はウェブ予約不要。