樹脂などを材料に、本物そっくりに仕立てた“スイーツ”を使い、デコレーションする“スイーツデコ”をアートに昇華させた現代美術作家・渡辺おさむ氏(群馬県高崎市)で初開催した個展「渡辺おさむ お菓子の王国展」では1万5千人を動員し、話題を集めた。それから10年の時を経て、展覧会「渡辺おさむ お菓子の王国II」が6月29日(土)から9月1日(日)の期間、高崎市美術館で開催される。
作品の規模もパワーアップした同展では、思わず食べたくなるようなホイップクリームやマカロン、キャンディーなどカラフルな“スイーツ”を用いて、3メートルのお菓子のメリーゴーラウンドや4メートル50センチのお菓子のドラゴン、全長25メートルのお菓子の水族館など、壮大なスケールの作品を展開する。高崎市との関わりの中で生まれた作品を紹介するコーナーもあり、2014年からの渡辺氏による高崎市での活動の集大成になる。
6月29日(土)と8月11日(日)の14時からは、同美術館展示室で渡辺氏のギャラリートークが予定されている。同美術館の観覧料のみで参加できる。事前申込制。
また、だるまで有名な高崎にちなみ、渡辺氏を講師にオリジナルスイーツデコだるまを作るワークショップ「だるま×スイーツデコ」を、8月11日(日)10時から高崎市南公民館5階の講義室で開催する。定員20人、事前予約制で先着順。材料費500円。小学2年生以下は保護者同伴で参加する。7月14日(日)14時からは同美術館展示室で、「おねんどお姉さん」として活躍する粘土作家の岡田ひとみさんと渡辺氏のトーク「スイーツ×ねんドル 美味しい空間づくりをめぐって」を予定している。参加費無料。事前申込制。
申し込み・予約は、いずれのイベントも6月14日(金)10時から高崎市美術館(027-324-6125)の電話受け付けをスタートする。最新情報はホームページ・SNSで発信する。
高崎市美術館の観覧料は一般600円、大高生300円(要学生証提示)、65歳以上無料(証明ができるマイナンバーカード・運転免許証・保険証などを提示)、中学生以下は無料。
高崎の市街地にモダンアート作品を展示する「アートプロジェクト高崎」で巨大なインスタレーションを発表するなど、この10年間、積極的に高崎と関わり続けてきた渡辺氏。「駅前のペデストリアンデッキをショートケーキにしたり、高崎城跡にお菓子の天守閣を建設したりと、どんな作品をつくっても受け入れてくれる高崎の皆さまのアートへの懐の深さに感謝しています。10年前にお菓子の王国へ来た方も、初めてお菓子の王国を知った方も、皆さまのご来場をお待ちしております」と呼び掛けている。