カルチャー

武蔵大学に学びの食空間「Musashi Dining」が誕生 建築家・隈研吾氏が設計、上野精養軒が運営を担当

 

 武蔵大学の江古田キャンパス(東京都練馬区)に、新2号館として、新たな学生食堂「Musashi Dining(武蔵ダイニング)」が、このほど完成した。9月にオープンする。

 同大は、リベラルアーツ&サイエンス教育のさらなる充実を目指し、学内施設の整備を進めている。その一環で、江古田キャンパス内の2号館のリニューアルを実施した。今回のリニューアルでは、「リベラルアーツを醸成する知と空間、食のコラボレーション」をコンセプトに掲げ、日本を代表する建築家・隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所)に設計監理を依頼。食堂の運営は、1872年創業の老舗レストラン・上野精養軒が担当する。

 建物は地上5階の鉄筋コンクリート造。1階は「Musashi Dining」(284席)、「こもれびテラス」(48席)、2階は「カフェテリア武蔵」(191席)、3階は事務室、4・5階は教室ほかとなる。

 隈氏は、「武蔵大学の新2号館は、1・2階が吹抜けの『Musashi Dining』、2階の『カフェテリア武蔵』、屋外の『こもれびテラス』が一体的につながっている、開放感とにぎわいにあふれる食堂です。大庇や内装の仕上げ、造作カウンターには、ベイマツ、シナ合板、スギ集成材、木目調メラミンといった多様な素材を、用途や機能によって使い分けながら、ふんだんに使用することで、どこにいても木を感じることができる、森のような温かみのある空間となっています。また、ダイニングの天井と壁をシームレスに投影可能な映像音響設備や、ディスプレイ棚を整備しており、これらの要素が1つの空間の中で絡み合い、化学反応を起こすことで、“食”にとどまらない、多様な体験と学びを提供できる場所となることを期待しています」とのメッセージを寄せている。

 上野精養軒 代表取締役社長の定方郷氏は、「今回の学生食堂運営受託は、伝統を守りつつ、”未来の顧客に向けたチャレンジ”と位置づけています。『食のリベラルアーツ&サイエンスを実現する学生食堂』実現のために、食が醸成する文化を体験できる施設とすべく全力で取り組みます。伝統と先進性に配慮した空間では、おいしい食事を提供することはもちろん、食器やカトラリーも空間との調和も意識し、石川県の陶磁器メーカーのNIKKO、燕三条の老舗カトラリーメーカー、小林工業のご協力を得て、日本のモノづくり文化の素晴らしさを体験できる施設といたします」とコメントしている。