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斎藤工、孤独で鬱屈した主人公に共感 「これ、自分のことなんじゃないかな」

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 映画『零落』完成披露プレミア上映会が8日、東京都内で行われ、出演者の斎藤工、趣里、玉城ティナ、竹中直人監督と原作者の浅野いにお氏が登壇した。

 本作は、浅野氏の同名コミックを、竹中が実写映画化。8年間の連載が終了した漫画家の深澤薫(斎藤)は、自堕落で鬱屈(うっくつ)した日々を過ごしていた。そんなある日、風俗店を訪れた深澤は“猫のような目”をしたミステリアスな女性・ちふゆ(趣里)と出会う。

 次回作のアイデアが浮かばずに苦悩する深澤を演じた斎藤は、描かれた内容に「心当たりしかなかった」とコメント。

 深澤の孤独についても、「痛いほど分かるというか、これ自分のことなんじゃないかなと思ったぐらい」と語った。

 原作漫画を読んだときから、映画化を熱望していたという竹中監督は、主演が斎藤に決まった経緯について、「工と山田孝之と3人で『ゾッキ』(20)という映画を撮って、いつも3人で宣伝をしていた。たまたま孝之が仕事で来られず、工と2人で食事に行ったときに、『次は浅野いにおさんの『零落』を撮りたい』と言ったら、工が『大好です!』と。『じゃあ、深澤やる?』となって」と明かした。

 そこから話が一気に進んだそうで、「もう斎藤工しか、深澤役は考えられない」と竹中監督。撮影では「もっと聞き取りづらい声でしゃべって」「ずっと下を向いていて」などと注文をつけたという。

 斎藤は「僕の声は普段からそうなんです。さっきも取材で、『ん?』って新聞社の方に何度か言われました」と苦笑しながら、「あのとき、食事に行ったのが山田孝之さんで、彼が『大好きです』と言っていたら、ここに立っていたのは山田孝之だったかも」と語ると、竹中監督は「それはない。工しかいないでしょ」と言い切った。

 また、深澤の「もうやってらんね~よ」というせりふにちなみ、うんざりしたエピソードを尋ねられた斎藤は「僕はタクシーをよく利用するのですが、空車だと思ったら迎車だったという…。全く真逆の意味なのに、なんで同系色なんだろう。それに関しては積年の恨みではないですが、色味を変えてもらいたい」とボヤいて笑わせた。

 映画は3月17日から公開。