孤児院で育ち、貧困や差別、いじめなど過酷な経験をもつ俳優のサヘル・ローズさんが、10代の子どもたちに向けて書いた『これから大人になるアナタに伝えたい10のこと 自分を愛し、困難を乗りこえる力』(童心社、税込み1650円)が、人権週間(12月4~10日)、「世界人権デー」(12月10日)にさきがけて11月29日に発売される。家族のあり方に正解はない、国家と国民は分けて考える、など、大人にとっても考えさせられる言葉が詰まっている。
7歳まで孤児院で過ごし、8歳のときに養母とともにイランから来日。貧困やいじめに苦しんだ半生をもつサヘルさん。世界各地の紛争で日常が奪われ危険にさらされる子どもたちや、国内でもさまざまな事情を抱える子どもたちへの関心を持ってほしいと書き下ろした。
「ここまで自分の内面をさらけ出したのははじめて」とサヘルさん。自分の半生を振り返り、思いをつづることは、フタをしていたつらい思い出と向き合う時間でもあったという。12月3日には、東京のジュンク堂書店池袋本店で著者のトークイベントも開催される。自身の半生や、世界各地の難民キャンプなどでの支援活動を続ける現在について、新刊にはおさめられなかった内容もじっくり語られる。申し込み、チケット料金などの詳細については丸善ジュンク堂書店Webサイトへ。