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奥田瑛二、孫の誕生などで心境に変化 「初めて幸せを言葉にすることができるようになった」

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 短編映画『たからばこ~守るべきもの~』完成試写会が17日、東京都内で行われ、出演者の奥田瑛二、秋沢健太朗、浅川暦、團遥香が登壇した。

 本作は、ハウスメーカーの「クレバリーホーム」が製作した短編映画。奥田は最愛の妻亡き後、家族の思い出の詰まった家に独りで暮らす浩一を、團は浩一の一人娘の藍花を演じた。

 奥田は「脚本を読んだときに『あれ、これって俺じゃないか』と思った。幸いにして妻は健康でおりますが、うちにも娘(俳優の安藤サクラ、映画監督の安藤桃子氏)が2人いて、孫も2人いる。じいじと孫の関わり、日常がそのまま描かれていて、『これは俺しかできない役だ』と思った」と振り返った。

 「家族とはどんな存在か」という質問に奥田は「切なさと緊張感。ここ最近、家族は切ないもの、そして緊張感が張り詰めているものだなと考えるようになりました」と答えた。

 奥田は、孫が生まれてから小学生に上がるまでの5年間を「神様のくれた贈り物」と表現し、「そのときだけが、まさに緊張感のないときで、自分も孫と同じレベルで天真らんまんに付き合う。その子が思春期を迎えると、また切なくなっていく」と説明。

 続けて、「切なさにもいろんな色がある。真っ黒い切なさは絶対に望んではいないし、それが発生したときは家族も混乱して壁にぶち当たる。でも、ときには切なさも感じなきゃいけないし、いい意味での緊張感も必要」と述べた。

 「以前は幸せなんてクソ食らえだと思っていた」という奥田。「いいか、俺の臨終の場で、右手が上がったら“いい人生だった”。左手が上がったら“駄目な人生だった”。何も上げなかったら“まあまあだった”とずっと言っていた。でもここ8年から10年ぐらい前から、その壁が取れてきた。それまで『奥田さん、幸せですね』と言われても、『いや、そんなことは死ぬまで分からない』と強がっていたけど、今では『うん』と、初めて幸せを言葉にすることができるようになった」と明かした。

 「遅咲きの幸福感というのを、具体性を持って、今強烈に感じている」といい、「それこそ大切にしていかなければいけない。家族の存在、そして個を思いやることが大事」と語った。

 映画は、17日午後6時から映画公式WEBサイトで公開。