2023年10月26~28日にノルウェーのトロンハイムで開催された「ワールド・チーズ・アワーズ2023」で、日本のナチュラルチーズ工房「三良坂フロマージュ(広島県)」と「CHEESE STAND(東京都)」が、世界のベスト100となるスーパーゴールドを受賞した。
「ワールド・チーズ・アワーズ」は、イギリスの団体ギルド・オブ・ファイン・フードが主催する世界各国から多種多様なチーズが集まる最も権威のあるチーズ・コンペティションのひとつ。35回目の開催となる今年は、43カ国から4502品のチーズがエントリーされた。スーパーゴールドはそのうちのトップ100品に与えられる。スーパーゴールドの中からさらにベスト16が選ばれ、今年はノルウェーのチーズ工房「ガンスタ・ゴーシュスィテリ」の「ニドルベン・ブロ」がチャンピオンに輝いた。
日本からは32工房39品のナチュラルチーズが出品され、三良坂フロマージュが出品した「アカショウビン」と、CHEESE STANDが出品した「TOKYO BROWN CHEESE」がスーパーゴールドを受賞した。ほかにもシルバー9品、ブロンズ8品が入賞した。
近年、日本のチーズ生産量は増加傾向にある。特に、コロナ禍で学校が休校となり、学校給食用生乳が余る問題が発生したとき、チーズ生産に活用したことから生産量が拡大した。そんな中、2019年の日本とEUの経済連携協定(EPA)と2021年の日英包括的経済連携協定(日英EPA)により、チーズは段階的関税撤廃の対象となった。
国内チーズ市場の競争激化と、欧州への日本チーズ輸出拡大の可能性が予想されることから、日本は国産チーズの品質向上と競争力強化を進めており、ここ数年にわたる日本チーズの国際的なアワードへの出品はブランド力を身に付けることが狙いとされている。