「志国高知 幕末維新博」が3月4日に開幕した。幕末維新博は平成31年3月末(予定)にかけて2年間、高知県全域で歴史資料の展示をはじめ、豊かな自然と食を体験できるイベントだ。
今年は徳川幕府が朝廷に政権を返上し、日本の歴史が大きく動いた大政奉還からちょうど150年。土佐藩からは幕末に坂本龍馬や中岡慎太郎、武市半平太などの志士が誕生し、激動の時代の主役となった。
オープニングイベント会場の高知城では俳優の高橋英樹さんと高知県出身の女優広末涼子さんが参加し、尾崎正直知事と開幕を飾った。NKHの大河ドラマ「竜馬がゆく」で武市半平太役を演じた高橋英樹さんは「初めての時代劇出演が武市半平太役。以降ずっと時代劇のかつらをかぶっている」と会場の笑いを誘った。
■高知城歴史博物館
メイン会場の一つで、同日に開館した高知城歴史博物館では、暗殺5日前の坂本龍馬が福井藩重臣の中根雪江に「新国家」という言葉を使いながら、福井藩士の三岡八郎(後の由利公正)を出仕させるよう懇願した内容の手紙が初公開。
また、旧土佐藩主・山内家に伝わる約67000点の収蔵資料から「国宝 古今和歌集巻第廿(高野切本)」や「兎耳形兜」、「韋包段替素懸威二枚銅具足」など貴重な歴史資料の実物が展示された。
■キラメッセ室戸 鯨館
室戸市の「キラメッセ室戸 鯨館」では古式捕鯨の様子を描いた「室戸捕鯨絵図」をデジタルアートシアターで紹介。臨場感あふれる映像に圧倒される。
また、館内中央に設置されている「勢子舟」に乗りVR(仮想現実)のヘッドセットを付けると360度のオーシャンビューが体験できる。目の前にクジラが現れるなど、まるで魚になった気分だ。屋上の展望デッキでは、スマホの無料アプリを利用し海をバックに写真を撮ると、3Dのクジラが画面に登場する。
「キラメッセ室戸 鯨館」では日本独自の鯨文化や古式捕鯨を学ぶことができ、最新のデジタル技術を屈指した展示物は親子で楽しめそうだ。
■龍馬の生まれた町記念館
高知市「龍馬の生まれた町記念館」では幕末維新博の開幕に合わせ期間限定の展示品を公開。その一つが「乙女姉さんの帯」。乙女姉さんは、龍馬が土佐藩を脱藩後も多くの手紙を彼女に書いていたことから、龍馬の最大の理解者ともいえる人物。乙女姉さんの嫁ぎ先の岡上(おかのうえ)家の協力により今回の展示が実現。
「龍馬の生まれた町記念館」には龍馬の幼少期から青年期の資料が展示されている。時代を動かした龍馬。彼が生まれ育った街並みや環境からも生きざまにふれることができる。
「志国高知 幕末維新博」は第一幕が平成29年3月4日から平成30年3月31日、第二幕が平成30年4月1日から平成31年3月31日までの開催予定。豊かな海と山に挟まれた自然あふれる高知県。カツオだけじゃない美味しい高知も味わってみよう!!