炎症性腸疾患への支援の輪、全国47都道府県に拡大　トイレ貸し出す施設・店舗が増加

　炎症性腸疾患（IBD）患者への理解促進活動「I know IBD（アイノウ・アイビーディー）プロジェクト」に取り組む医薬品開発・輸入・製造販売業のアッヴィ合同会社（東京都港区）は2023年4月5日、同プロジェクトの趣旨に賛同する協力企業・協力店が全国47都道府県68社2158店舗になったと発表した。

　IBD は大腸や小腸など消化管に炎症が起こる疾患。主な症状は下痢や腹痛のため、周囲から気づかれにくく、外出時のトイレへの不安で外出に気後れしてしまうなど日常生活に「見えない壁」が存在する。国内のIBD推計患者数は約29万人で指定難病の中で最も患者数が多く、国内患者数は年々増加傾向にあるという。

　プロジェクトは2022年5月に発足、「見えない壁」の解消に取り組んできた。趣旨に賛同する協力企業・協力店では、所有施設・店舗のトイレをIBD患者に貸し出している。貸し出しトイレにはプロジェクトのステッカーを掲示し、IBD患者への支援の必要性を訴えている。また協力企業・協力店は、従業員を対象に、IBDに関する教育資材を配布するなど啓発に努めているという。

　全国の協力企業・協力店名はプロジェクトのウェブサイトに掲載。IBD患者がトイレを借りる際に協力企業・店舗で申し出る際のツール「I know IBD PASS（アイノウ・アイビーディーパス）」や、IBDへの理解を深める「パートナーガイド」も同ウェブサイトで公開している。