東京のど真ん中で、小学生が柳染めを学ぶ機会がある。銀座もとじ(東京)は、5月27日から3回にわたり銀座で唯一の公立小学校、中央区立泰明小学校の5年生を対象とした「銀座の柳染 課外授業」を実施する。1998年に地域への社会貢献活動の一環としてスタートしたこの授業は、コロナ禍でも途切れることなく今年で27回目を迎える。
授業は「柳の剪定」(5月27日)、「柳の歴史の講話」(6月5日)、「柳染めの実習」(7月5日)の全3回。柳染めの実習では、媒染剤の一つとして、奄美大島から取り寄せた大島紬の泥染めに使用する「奄美の泥」などを用いてハンカチを染める。事前に柳の染液で下染めをした13mの着物用の反物に、一人一人が絵を描き合作を仕上げる。
銀座の柳染めは、約30年前に銀座もとじが銀座一丁目の柳通りに店を構えていた時、毎年初夏に通行人の邪魔になるからとせん定される柳の枝葉を見て「この柳の命を生かして、銀座ならではの草木染めができないか」と試みたのが始まりだそうだ。