今年の春闘では大企業において満額回答が相次いだことが話題となった。厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によると、2024年4月の就業者1人当たりの基本給などにあたる所定内給与は、前年同月比2.3%増と約30年ぶりの高い伸び率となったとか。では、ボーナスはどうなっているのだろう? 帝国データバンク(東京)は、2024年夏季賞与についてアンケートを実施した。アンケート期間は6月7日~11日、有効回答企業数は1021社(インターネット調査)だった。
調査によると、2024年の夏季賞与について、「賞与はあり、増加する」と回答した企業の割合は39.5%(前年比2.1ポイント増)。「賞与はあり、変わらない」は34.2%(同2.2ポイント減)、「賞与はあるが、減少する」は11.3%(同2.0ポイント増)で、賞与ありの企業は85.0%と前年(83.1%)から1.9ポイント上昇した。他方、「賞与はない」企業は10.3%(同0.9ポイント減)と減少した。
会社の規模別で「賞与はあり、増加する」企業の割合をみると、「大企業」は前年比4.9ポイント増の47.2%で全体(39.5%)を7.7ポイント上回っている。「中小企業」は同1.7ポイント増の38.2%、「小規模企業」は同1.9ポイント増の29.2%と、前年と比べて夏季賞与が増加すると回答した企業の割合が「大企業」よりも小幅な上昇にとどまった。「小規模企業」では夏季賞与が「増加」すると回答した企業の割合が全体より約10ポイント低く、企業規模によって格差が大きくなっている。
2024年の夏季賞与の従業員1人当たり平均支給額について、前年からの増減を聞くと、夏季賞与の1人当たり支給額は前年から平均で+2.0%となり、前年(+2.4%)を0.4ポイント下回った。
何らかの賞与を支給予定の企業は多いものの、今後は電気代の値上がりや、円安を背景とした食品の値上げなどにより、消費拡大への効果は限定的になる可能性もある。今夏の賞与だけでなく、「持続的な賃上げ」を期待したいところだ。