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江戸時代は高齢者介護とどう向き合っていたのか? 歴史から学ぶ「武士の介護休暇」

 高齢化社会の現代特有の問題かと思いきや、介護の問題は江戸時代にも、もっと昔にもあったようだ。古代から近世まで、日本の介護の歴史を学べる『武士の介護休暇』(﨑井将之著、河出書房新社、税込み1078円)が発売された。

 高齢者福祉関連の記事執筆などに長年取り組んできた﨑井将之氏が、古代から中世期、江戸時代までの日本の介護をめぐる長い歴史を解き明かしている。「看病断(かんびょうことわり)」という名の介護休暇制度や、かつて介護は長男の役割だったこと、94歳まで働いた武士や約1400年前に存在した公的なケア・サービスなどについて、『大和物語』『今昔物語』などの文献から、江戸期の武士たちが書き残した日記、幕府史料や最新の研究資料などを丁寧にひもときながら解説。日本人が高齢者介護とこれまでどう向き合ってきたのか、どのような歴史的背景、公的制度が存在したのかを明らかにしている。