世界的な建築家・ガウディの言葉ではないけれど、自然の形や色が何より美しいと思うことは多い。自然界にある物の名称とともに細かく記載したカラーチャートの本、『新装版 美しい自然の色図鑑 1000点の博物画でひもとくカラーチャートの歴史』(パトリック・バティ著、グラフィック社、税込み4180円)が2月に発売される。1000点もの博物画で実例を視覚化した、現代版の色見本帳だ。
カラーチャートがなかった時代、色を表す共通言語として、自然にあるものから色を定義したことは、芸術・デザイン、医学など自然科学の発展の一助となった。19世紀に生まれ、近代の芸術や自然科学の発展を支えた『ヴェルナーの色の命名法』では、白、灰、黒、青、紫、緑、黄、橙(だいだい)、赤、茶の色見本帳に10系統110色が、関連する動物、植物、鉱物の名前とともに掲載されている。文字情報のみだった当時の博物画を視覚化したのが、今回発売される色図鑑。巻末にはカラーリファレンスもついており、デザイナーだけでなく、色を扱う人にとって学びが多い一冊となっている。