
11月に開催される「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」は、デフリンピックが初めてパリで開かれた1924年からちょうど100周年、日本では初めての開催になる。聞こえない、聞こえにくい人のためのオリンピック、ろう者の日常や手話についての話題に目を向ける機会が増えているが、身近なところで手話に触れる機会はあまりないという人も多い。山梨県立美術館のカフェ&レストラン「COLERE(コレル)」(KEIPE・甲府市)は9月21日(日)に、「手話カフェ」を開く。
コレルのスタッフは11人中9人が障がい者。メニュー開発・ホール調理・マーケティングなど、障がい者と健常者のボーダーを引かずに運営している。「障がいの有無に関わらず、誰もが働くことができる。誰もが来られる、楽しめる」ユニバーサルカフェ&レストランだ。手話カフェは、聴覚障がいのあるスタッフが「手話言語条例が制定された山梨で、手話を身近に感じられるよう普及に努めたい」と企画。ビギナー向けの1DAY手話教室で手話を学ぶことができる。参加費はフレンチトーストプレート・ドリンク付きで2000円。申し込み方法は電話 055-236-9370、コレル公式InstagramのDMで(@colere_yamanashi)。
山梨県では、9月23日が「やまなし手話言語の日」と制定されている。県内の聴覚障がい者は2400人だが、手話通訳士はたった32人という課題を抱え、2023年に「山梨県手話言語条例」を施行した。手話言語条例は、日本各地で「手話の普及と理解」を促進するために制定されているが、条例で手話言語の日を定めたのは山梨県が全国で初めてという。
手話は、ろう者にとって重要な情報伝達手段であると同時に、独自の文法を持つ一つの言語。手話を学べば、手話を使う人々の輪の中で、その“文化”を感じる目を養うことができる。