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若手ボートレーサーの頂点を決める第12回ヤングダービーが23日から開催 今年6勝と覚醒した中村日向、女子初のタイトルを狙う実森に注目!

ヤングダービー注目の中村日向(左)と実森美祐

 若手ボートレーサーの日本一を決める第12回ヤングダービーは23日から28日まで広島県のボートレース宮島で開催される。主役を演じるのは今年すでに6勝と大ブレーク中の中村日向(26)だ。西の前哨戦ウエスタンヤングを制した勢いで一気に頂点に上り詰めるか。いや、女子レーサーの実森美祐(29)も得意の地元戦で女子初の頂点を狙っている。

 まさに日の出の勢いだ。中村は今年に入って実に6勝をマーク。その中には6月の芦屋ウエスタンヤングが含まれる。3コースからの一気マクリを決め、ヤングダービーの前哨戦をものにした。

 「マクリで勝って優勝したのは初めて。自信にもなりました。ヤングダービーは若手の登竜門。西の覇者として、チャレンジャーとして向かっていきたい」

 2018年にデビュー。23年1月に児島の一般戦で初優勝を飾ると、2月鳴門の四国選手権で一気にGⅠ初制覇した。しかし、飛躍が期待された昨年は1勝止まり。そこで、もう一度原点に立ち返ったことがV字回復につながったと言う。

 「2年前にGⅠを勝ったころは行け行けドンドン。裏付けがなかった。でも、いまは何が足りないとか、どう準備するのがいいか、自分の中で整理して戦うことができています」

 今年5月には地元の丸亀オールスターに出場。SG舞台でもまれ、それが大きな肥やしにもなっている。自身に足りないものは何か。峰竜太、茅原悠紀ら他地区のトップ選手にも積極的にアドバイスを求め、得たことも大きい。

 師匠は秋山広一。中学生の時、彼のペアボートに乗ったことが、この道に進むきっかけになった。所属する香川のグループは片岡雅裕、竹田和哉ら意識の高い面々がそろい、26歳の中村もいい刺激を受けている。

 「ヤングダービーの歴代優勝者は、その後SGで活躍している。出場チャンスは何回かありそうですが、早く取るに越したことはないし、いい位置にいると思う。瀬戸内の水面は好きです。しっかり狙いたい」

 最終的な目標は賞金王になること。「このことは絶対に忘れないようにしている」。そのためにも1走1走、全身全霊を込めて走り続ける。

今年6勝と好調な中村日向

 一方、女子レーサーで最も注目されるのがキュートなルックスでも知られる実森美祐だ。こちらも今年3勝を挙げ、地力強化が著しい。

 地元の宮島では22年のSGオールスターに初出場。男子のトップレーサーにまじって準優勝戦まで進んだ。24年のレディースオールスターでは優勝戦に進出し2着。今年7月には一般戦で待望の地元初勝利を挙げるなど水面相性もいい。

 「ファンの方に支持していただき、投票してもらえるのはうれしいし、自信にもなる」

 師匠は角ひとみ。デビューからしばらくは「ペラをたたくな」とアドバイスされた。これにより運転操作の技術が向上し、いまにつながっている。「課題はエンジン出しと旋回力。うまくなると楽しいし、それを求めて日々努力しています」

 ストレス解消法は海外旅行。最近ではオーストラリアのパースが気に入ったという。

 ヤングダービーは、昨年の桐生に続き2度目。「桐生では全くいいところがなかったので今年こその気持ちです。地元なのでなんとか予選を突破したいです」

 誕生日は1996年9月11日。大会規定は9月1日時点で30歳未満ということから今回を入れ2回チャンスがある。

  「実は今年が最後と思っていました。もう1回出場できるかもしれませんが、宮島のヤングダービーはこれが最後。全国のボートレースファンに私の名前をもっと覚えてもらえるようにがんばります。何かいい異名があれば、お願いします」

 前身の新鋭王座から女子の優勝者はなし。もしかすると、この宮島で大会初の若き女王が誕生するかもしれない。

地元戦で女子初の頂点を狙う実森美祐