若手社員の離職は以前から企業にとって大きな問題となっていたが、ここにきてはZ世代社員の「退職代行」の利用者が増えるなど、若手社員の離職問題は深刻化を増している様子だ。とりわけ、中小企業にその傾向が強いという。そうした中、日本人事経営研究室(東京)は、全国の中小企業で働く18歳~29歳の一般社員100人を対象に、職場環境に関する調査を実施した。調査期間は、8月13日~8月14日。
この調査によると、入社半年以内に退職を検討したことはあるかとの問いに、29.0%と約3割の人が検討した経験があると回答。退職検討理由を聞くと、1位は「給与や待遇への不満」で48.3%、次いで「職場環境(人間関係・労働時間など)」が44.8%、「上司への不満」が41.4%となり 、以下「会社や自分の将来性に不安を感じた」の34.5%、「仕事のやりがいがなかった」の24.1%と続いた。
ギャップを感じた理由としては「思い描いた業務内容と違った」(31.9%)が最も多くなり、「成長機会がなかった」(29.0%)が僅差で続くなど、業務内容が期待外れ、成長機会の不足──などが若手にとって不満となっている。
少し前まで、ブラック企業の退職が注目されていたが、反対にホワイト過ぎても良くない様子。今回の調査では「会社がホワイトすぎてつまらない」と感じたZ世代社員は17.0%に達した。その理由として「挑戦的な業務が与えられず、自己成長を感じない」が41.2%と最も多く、挑戦や成長を求めるZ世代社員が少なくない。ブラックは敬遠されるが、自分の成長の機会が十分に与えられていないことも不満の種になるようだ。