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社内で広がるAI格差 導入しても人手作業が残る現実も少なくない!?

 AI(人工知能)の発展によって、企業内の業務も変わりつつあるようだが、その活用の実態はどうなのだろう? キーウォーカー(東京)は、日常的にAIを業務で活用している従業員数100人以上の企業の経営層・DX推進部門・人事部門・現場管理職1001人を対象に、「企業におけるAI活用人材の育成と活用実態」に関する調査を行った。調査期間は、2月2日~2月3日。

 AIの技術を現場で生かし、継続的に運用していくためには、専門スキルを持った一部の人材だけでなく、現場や企画部門、マネジメント層を含めた幅広い層での「AI人材」の確保と育成が不可欠。そうした点を踏まえ、はじめに「現在導入しているAIツールは、社内でどの程度業務に組み込まれているか」を聞くと、「メールや議事録、提案資料の作成補助に使われている」(53.3%)、「文章の要約・翻訳・校正などの業務に使われている」(50.3%)、「アイデア出しや企画立案の壁打ちとして使われている」(41.4%)の順に多かった。複数のシステムをまたいだ処理や高度な分析といった活用は広がっておらず、AIは業務を置き換える存在というより「既存業務を効率よく進めるための補助的なツール」として取り入れられるのが主流のようだ。

 次いで、AIツール導入の効果や現時点での課題を聞くと、「業務スピードが向上した」(38.8%)が最も多く、「一部業務は効率化できたが、人手作業が依然として多く残っている」(36.3%)、「現用のAIツールでは自動化しきれていない」(26.8%)との回答が目立つなど、AI導入により業務スピード向上が実感される一方、人手作業が依然として残っている現実もある。AIの活用で処理速度が上がっても、部分的な活用が主流の現状では、人の確認や調整作業は削減できていないと言えよう。

 一方、「社内におけるAI活用人材の格差はあるか」との問いには、「部署やチームによって、AI活用の浸透度に大きな差がある」(54.9%)、「一部のスキルが高い社員だけが活用し、活用が属人化している」(41.9%)、「ツールを導入しただけで、実際の業務効率化に結びついていない社員が多い」(32.5%)となるなど、社内でAI格差が広がっている様子が伺える。誰もが一定の水準でAIを使いこなせる環境にあるのが理想的だが、そこに到達していないのが現実のようだ。