東京ビッグサイト(東京)で3月10~13日開催の国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN(フーデックス ジャパン)2026」に台湾パビリオンが出展するのに合わせて来日した台湾貿易センターの黄志芳(こう・しほう)董事長(会長)に、日台貿易の位置付けや食品の輸出戦略、台湾の重要産業である半導体製造の動向などを聞いた。
―食に関する日台貿易の現状は。
日本は台湾の農産物・食品の主要な輸出先です。例えば、台湾の枝豆やパイナップル、コチョウランなどは日本でとても人気です。逆もまたしかりで、台湾は日本の農水産物の主要な輸出先であり、台湾の人々はフルーツなど日本の食品を好んで食べています。亜熱帯地域の台湾は日本と気候が異なりますので、それぞれの気候に適したお互いの農産物を輸出入し合える“補完関係”にあると思います。今後も食に関するお互いの貿易の拡大を通じて台湾と日本の交流がさらに深まることを願っています。

―台湾産農産物の新たな成長株は。例えば近年価格が高騰しているコーヒー豆は期待できますか。
最高品質のウーロン茶の生産農家がコーヒー豆農家に転じる現象があります。これらの台湾農家が作るコーヒー豆の品質の高さは高く評価されており、台湾のコーヒー豆農家の中には海外への販売拡大に積極的な人もいます。

―観光など台湾経済における台湾の“食”の役割は。
台湾観光にとって台湾の食が果たしている役割はとても重要です。海外の方はまず自国などで台湾の食に接して、台湾に興味を持つ人も多くいると思います。例えば、海外展開している台湾のレストラン「鼎泰豐(ディンタイフォン)」の台湾小籠包(ショウロンポウ)を食べたり、あるいはタピオカ飲料を飲んでから、台湾に初めて興味を持つ人も多いと思います。それくらい食は重要です。今後も食を通じてもっともっと台湾への観光客を増やしていきたいと思います。
―現在の台湾の観光産業の状況は。
日本や東南アジア、大陸(中国)などに行く台湾人は現在増えており、新型コロナ禍前よりむしろ多くなっています。例えば2025年に日本を訪れた台湾人観光客は約676万人に上っています。3月6日に東京ドームで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対台湾の試合には、大勢の台湾人観光客が詰めかけ、東京ドームが台湾チームのホーム球場になったかのように感じました。一方で台湾内の観光業は現在も大変な状況にあり、まだ新型コロナ禍前の状態には戻っていません。台湾政府は各種施策を打ち出して、海外だけでなく台湾内の観光にも目を向けるよう促す取り組みをしています。

―半導体産業は台湾経済の柱ですが、回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の先端半導体の国産化を目指す日本の国策半導体メーカー「ラピダス」の取り組みをどう思いますか。
台湾の半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)会長が2月、熊本県に建設中の同社第2工場で3ナノメートルの先端半導体を生産する方針を高市早苗首相との会談で明らかにしました。台湾と日本の間では先端半導体製造を巡ってこのような“協業”が将来進むのではないかと考えています。TSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏は2年前に、充実した製造基盤や日本人の責任感の強さ・真面目さ・こまやかさを挙げて、半導体製造の覇権を日本が握る可能性を指摘したことがあります。私は、2ナノの先端半導体を製造する能力が、ラピダスには間違いなくあると思っています。









