日本生産性本部(東京都千代田区)は、組織で働く雇用者を対象に第12回「働く人の意識調査」を行い、テレワーク実施率などについての結果を発表した。
「働く人の意識調査」は、2020年5月から、四半期毎に継続的に実施している。12回目となる今回の調査は、新型コロナウイルス感染症が拡大した第8波中の1月10~11日に、日本の企業・団体に雇用されている20歳以上の1100人を対象にインターネットで行った。
テレワークの実施率は16.8%で、過去最低となった22年7月調査の16.2%をわずかに上回ったものの、22年10月調査(前回)の17.2%から減少した。従業員規模別では、100人以下の勤め先で11.5%から12.9%に、1001人以上は30.0%から34.0%に増加。一方で101~1000人の企業では18.7%から13.2%へと減少した。日本生産性本部は「これまで大企業とともにテレワークをけん引してきた中規模企業の実施率が、小規模企業の実施率と同程度になった」と説明している。
また「コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか」については、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計は、前回10月調査の76.7%から84.9%へと増加した。しかし、コロナ禍収束後の「テレワークの普及」については、「起こり得る」「どちらかと言えば起こり得る」の合計は37.1%から33.1%に減少した。日本生産性本部は「テレワーク実施率について、22年7月調査以降、大きく変化することなく、16~17%で推移していると」と説明。コロナ禍収束後の未来におけるテレワーク普及の可能性についても「調査の回を重ねるごとに悲観的になっており、コロナ禍前の働き方に回帰すると感じている雇用者が増えていることが分かる」と分析した。
テレワーク実施の低調について「テレワークにおける環境・仕組み上の課題や労務管理上の課題は、減少傾向にあるとは言えない」と指摘。その上で「職種、業種、従業員規模によっても異なるが、テレワークは多様な働き方のニーズに対応する選択肢のひとつとして、継続的な活用を期待したい」と結論づけている。
詳細は同本部サイトを参照。