新型コロナウイルスの感染拡大で、大きく変わった就活。徐々にコロナ禍が縮小するにつれ、就活戦線も落ち着きを取り戻しているようだが、実際のところはどうなのだろうか? リクルート(東京)の研究機関・就職みらい研究所は、「就職白書2023」として学生の就職活動および企業の2023年卒採用活動の実態を明らかにするとともに、2024年卒以降の採用見通しについてまとめた。
それによると、2023年卒の進路確定状況は例年並みだが、入社予定企業などへの就職活動開始当初の志望度は、「第一志望群」が61.5%となり、2022年卒に比べ5.7ポイントアップした。就職活動プロセスの実施状況は、2022年卒に比べ「合同説明会・セミナー(Web)」 「個別企業・各種団体等の説明会・セミナー(対面)」などが増加した。インターンシップ・1day仕事体験の参加率は75.0%、平均参加社数は7.82社となり、いずれも2012年卒の調査開始以来、過去最高となった。内定を取得した時期については、6月が18.3%で最も多く、実質の就職活動期間の平均は8.36カ月となっている。
一方、企業側の2023年卒就活戦線を総括すると、採用予定数を充足できた企業が40.4%で、2022年卒の52.2%から11.8ポイント減少。コロナ禍のピークは去り、経済が持ち直したことを反映した結果となっている。入社予定者全体に対する満足度53.2%で、前年の63.7%から10ポイント以上減少した。採用予定人数を100とした場合の、内定出し人数の平均は179.1で、前年実績の171.2から増加。内定辞退人数は83.3で、2022年卒の75.7から増加した。2024年卒の採用予定数に関しては、平均が29.5人と、 前年の実績26.9人から2.5人増加している。
今回の調査は振り返りの学生調査が、民間企業などを対象に就職活動を行った全国の大学4年生・大学院2年生1618人を対象とし、2022年11月21日~2022年12月5日に行った。企業調査に関しては、全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業1569社で、調査は2022年12月2日~2023年1月11日に行った。