新型コロナウイルス感染拡大の影響で、終電の時刻が繰り上がるようになり、それを忘れて「しまった!」となる人が多いのではないだろうか? 終電を逃すと、スマホのアプリで情報を取る──となるだろうが、このほどヤフー(東京)が提供する事業者のためのデータソリューションサービスでは、「Yahoo!乗換案内」アプリと「Yahoo!検索」のデータから「終電」に着目したレポートをまとめた。集計対象期間は2020年2月~2022年12月。
それによると、終電検索者数は2020年4月、5月に、1回目の緊急事態宣言下で急激に落ち込んでいた。その後も緊急事態宣言が発令されるたびに、終電検索者数は増減を繰り返し、4回目の緊急事態宣言が明けると上昇したものの、感染力の強いオミクロン株の拡大に伴い2022年1月にまん延防止等重点措置が実施されたことを受け、終電検索者数は再び急落した。まん延防止等重点措置の終了とともに検索数が再び増加。感染状況によって終電を利用している人は上下動した様子がうかがえる。直近では、昨年の12月に大きく増加したが、忘年会が活発に行われたとみられ、フツーの生活が戻ってきたことを示す結果ともいえる。
一方、終電検索者数が多い駅(出発駅指定された駅)を調べると、「新宿」「渋谷」「東京」など、路線数が多い主要駅が上位にランクインした。終電の出発時刻以降に終電を検索した状況を“終電逃し”と推定して、終電検索者に占める“終電逃し”割合を分析すると、“終電逃し”割合が高い駅の1位は「水道橋」、3位は「後楽園」と東京ドームの最寄り駅が上位にランクイン! これは東京ドームでの各種イベントに参加し、終了するまで参加した結果、終電を
逃してしまうケースが多かったものと推測できる。
さらに、「海浜幕張」「古河」「本川越」など、路線の終着駅となり得る駅がランクインする興味深い結果に。これは、電車内で寝過ごして終着駅まで来てしまい、折り返しの終電が無い状況で困って検索──という光景を思いうかばせる。寝過ごしにはくれぐれも注意しよう。
「終電逃し」ユーザーが「Yahoo!乗換案内」アプリで終電検索をした直後に、「Yahoo!検索」で検索したキーワードは、「タクシー」(38.5%)が最も多い。これは、駅前にタクシーが見当たらずタクシー会社への連絡をしているようだ。「宿泊」(27.2%)がこれに続いて、「ホテル 格安」「ネットカフェ」などが検索されている。