まめ学

酪農業の倒産増加 国産牛乳が入手困難となる危機も

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 やはりコロナ禍。そしてウクライナ危機や円安の影響だ。帝国データバンク(東京)が実施した「酪農業」の倒産発生状況についての調査・分析(集計期間は今年4月30日まで)によると、2022年の酪農業の倒産や休廃業は合計14件で、前年(8件)から大幅に増加、過去10年で過去最多を更新する急増となった。

 酪農業では、過去に国産生乳不足に伴うバター不足などが度々発生したため、政府は施設整備や機械導入を補助する「畜産クラスター事業」を開始するなど、生乳増産を要請し、酪農家もこれに応える形で積極的な設備投資を行い、規模を拡大してきた。ところが、増産体制が整った直後にコロナ禍が直撃し、業務用や学校給食用の牛乳消費が急減。さらにロシアのウクライナ侵攻や円安による輸入コスト増で、エサ代が前年から最大1.6倍まで高騰する「ダブルパンチ」に直面した。

 帝国データバンクは、飼料高騰と値上げ難を前に酪農家が経営をあきらめる状況が続けば、国産牛乳が入手困難となる「酪農危機」が現実に起きる可能性も否定できないとしている。