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ディーン・フジオカ「ホテルをプロデュースしてみたいと思うようになった」名門ホテルの再建に挑む総支配人役で膨らんだ夢 「連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-」【インタビュー】

ディーン・フジオカ「ホテルをプロデュースしてみたいと思うようになった」名門ホテルの再建に挑む総支配人役で膨らんだ夢 「連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-」【インタビュー】 画像1

 大型ホテルで繰り広げられるさまざまな人間模様をつづった石ノ森章太郎の名作コミック『HOTEL』。この作品を原作に、舞台を現代に移して名門ホテル、プラトンの危機をオリジナル脚本で描く社会派エンターテインメント「連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-」(全6話)が、9月10日午後10時からWOWOWで放送・配信スタートとなる(第1話無料放送)。没落したプラトンの再建を託された総支配人・三枝克明役で主演したのは、ディーン・フジオカ。「自分でホテルをプロデュースしてみたいと思うようになった」とまで語る本作の舞台裏を聞いた。

ディーン・フジオカ(ヘアメーク:花村枝美(MARVEE)/スタイリスト:ISON KAWADA(IMPANNATORE))

-オファーを受けたとき、本作のどんなところに魅力を感じましたか。

 以前から、ホテルという文化に興味があったんです。仕事でも私生活でも、今までいろんな国のホテルに泊まる機会が多かったので。どんなメカニズムで、さまざまな産業の集合体であるホテルが運営されているのか? そこで働いている方々の中にどんな人間ドラマがあるのか? そういうことにすごく興味があったので、面白いプロジェクトだなと。総支配人という役を演じることで、ホテル文化を疑似的に追体験できることにも、すごくワクワクしました。

-名門ホテルの総支配人役を演じるに当たって、どんな準備をしましたか。

 まずは、監督から「読んでおいてほしい」と言われた本を読みました。それは、ホテルマンの方が書いた職業人としての哲学書のような本で、ホテルマンとしてのあり方はとても参考になりました。その上で、お辞儀や立ち方、座り方といった具体的な立ち居振る舞いについては、現場で丁寧におさらいしながらやっていきました。

-三枝という人物を演じる上で心掛けたことは?

 一番は“コントラスト”です。劇中で、三枝はまず「ホテル座の怪人」と呼ばれ、感情を表に出さず、冷酷に一つ一つの改革を実行していく“得体の知れない総支配人”として登場します。その一方で、三枝には自分の悲願を達成するため、必要な能力や経験をこれまで積み重ねてきた一面も次第に明らかになってくる。そういう意味では、一見冷酷に見えますが、三枝なりの人生観や成長みたいなものも見えてきますし、実はすごくロマンチックなキャラクターなんですよね。だから、その二つのコントラストをできるだけ強く出した方が、物語の魅力が増すのではないかと。そんなことを意識しながら演じていきました。

-プラトンの再建を託され、総支配人として赴任した三枝は、長く働いてきた従業員たちの反発を押し切って改革を進めていきます。その点について、どんな印象を持ちましたか。

 “名門ホテル”といわれたプラトンは、決められたことだけを繰り返してきた結果、現在の凋落(ちょうらく)を招いてしまったわけです。でも、タイトルに「NEXT DOOR」とあるように、新しいドアを開いて変化していかなければ、実績を積み上げていくことはできません。そういうチャレンジが大変なのは当たり前で、「しんどいから」といって何もしなければ、結局はそれ相応の結果がついてくるだけなんですよね。同じことは僕自身の仕事や私生活についてもいえるなと。だから、“自分に対しての戒め”という意味でも共感を覚えました。

-その点、この物語はプラトンという一つのホテルを舞台にしながらも、働く人全てに通じる現代性や普遍性もありますね。

 そうなんです。僕も演じながら、すごく具体的な提示がされているな、と思っていました。ホテルという舞台を通して、他の産業や社会のいろいろなところでヒントになる具体的なアプローチが提示されている。

-おっしゃる通りです。

 そのアプローチがどこまで現実的なのか、本当に有効なのか、賛否両論あるかもしれません。でも、僕はどれもふに落ちるところがありました。虚構の物語だからこそ、固定観念にとらわれず、新しいビジョンを提示できる映像作品の力を改めて感じましたし、考えるきっかけや解決につながることを軽快に提示できるのも、エンタメならではだなと。その点、ヒューマンドラマとして楽しめるのはもちろん、社会派ドラマとしても見応えのある作品になったと思います。