エンタメ

小池徹平、ローラ役の城田優と共に思いを引き継ぐ 「新しいカンパニーの『キンキーブーツ』も最高だと言われる作品にしたい」【インタビュー】

小池徹平、ローラ役の城田優と共に思いを引き継ぐ 「新しいカンパニーの『キンキーブーツ』も最高だと言われる作品にしたい」【インタビュー】 画像1

 小池徹平が城田優と共に挑む、ブロードウェーミュージカル「キンキーブーツ」が10月1日から上演される。2016年の日本初演、19年の再演で、日本中を熱狂させた本作は、堅物の靴工場のオーナー・チャーリーと、ドラァグクイーンのローラが出会い、経営不振に陥った老舗の靴工場を、ドラァグクイーン専門のブーツ工場として再生させるまでを描いたミュージカル。小池は、初演から引き続き、チャーリー役で出演。初演と再演で三浦春馬が演じたローラ役を城田が引き継ぎ、新たな「キンキーブーツ」を作り上げる。小池に本作に懸ける意気込みや“城田ローラ”への思いなどを聞いた。

小池徹平

-3度目のチャーリー役になりますが、今回は、どんなところを大事に演じたいですか。

 今回、一番大きく変わるのは、ローラ役が(城田)優になることです。演じる人が変われば、作品の雰囲気も変わりますし、印象も変わると思います。ですが、「キンキーブーツ」を愛する気持ちは変わりません。この作品を大切に思う心は絶対に忘れてはいけない。それは初演、再演から続く思いで、そして(三浦)春馬の力もあったから成し遂げられたことでもあるんです。僕たちは、その春馬の思いも引き継いで、「新しいカンパニーの『キンキーブーツ』も最高だよね」と言われる作品にしたいと思っています。春馬に「いいな」って悔しがってもらって、(それに対して)「いいカンパニーだろ?」と言えるぐらいのチームを作りたいです。

-今回、ローラを演じる城田さんは、オーディションに自ら参加してこの役を演じることになったと聞いています。小池さんとは高校の同級生でもあり、親交の深い間柄ですが、城田さんのローラについてはどう感じていますか。

 優の出演作をご覧になったことがある方は多いと思いますが、彼は非常にポテンシャルが高く、演出家的な視点から客観的に物事を見る力も持ち合わせています。その上で、春馬の思いもきちんと継いでくれています。きっと、とんでもないプレッシャーがのしかかっていると思いますが、それを表には出さずに向き合っているんだと思います。僕としては、そうした彼の状態が分かった上でサポートしてあげられるというのは非常に大きいことだと感じています。これが初共演の相手だったら、きっとこうはいかないので、気心が知れていて、お互いに頼れる優がローラで本当によかった。オーディションを受けてくれたことにも感謝していますし、ローラ役を演じてくれることも本当にうれしかったです。もちろん、幕が開いたときに、最高のローラを演じてもらわなければならないのですが、きっと彼ならやってくれると思います。

-城田さんとは、作品や役柄に関して、どんな話をしていますか。

 (取材当時は)まだ細かい話はしてないんです。ただ、3度目の上演に当たっての思いや、僕たちがやらなければいけないことについては、共有しています。

-具体的には、どんな思いを共有しているのですか。

 やはり、春馬と一緒に作り上げてきたものを優が引き継ぐわけで、相当なプレッシャーもあるとは思いますが、このカンパニーで新たな「キンキーブーツ」を成功させるのが大事だということです。それがお客さまのためでもあるし、僕たちみんなのためでもある。そういう話はしています。

-小池さんにとっても、16年の初演時の演技で菊田一夫演劇賞を受賞するなど、思い入れの深い作品だと思います。改めて、本作は小池さんにとってどんな存在ですか。

 おっしゃっていただいたように、賞を頂いた僕の大事な作品の一つでもありますし、役者として成長させてくれる作品の一つでもありますし、僕個人としても大好きな作品です。またそうした作品に出演できるうれしさを感じていますし、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思っています。

-見どころいっぱいの作品ですが、小池さんは本作のどんなところが好きですか。

 王道ですが、ラストのみんなでブーツを履いて踊るナンバーが一番好きです。初演、再演とやらせていただいて、あのナンバーで客席が最高潮に盛り上がっていることをステージ上でひしひしと感じていました。コロナ前だったので、客席の皆さんが立ち上がって、声を出し、ステージと一体化して…パワーやエネルギーに満ちていました。僕は、これほどハッピーなパワーに包まれる舞台はほかにないと思います。この作品でしか感じたことがないパワーでした。