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クリスタル・ケイ、ミュージカル初出演で得たものは「自信」【インタビュー】

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 「Boyfriend -partII-」「恋におちたら」などのヒット曲でブレークし、ライブなど精力的な活動を続けているクリスタル・ケイ。アーティスト活動20周年を迎えた2019年には、トニー賞4部門受賞のブロードウェーミュージカル「PIPPIN」の日本語版に出演し、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。そして、今夏ついに「PIPPIN」の再演が決定。8月30日から、都内・東急シアターオーブで上演される。今回、主演を務めるのは森崎ウィン。クリスタルは、日本語版初演に続き、リーディングプレイヤーを唯一無二の存在感で演じる。クリスタルに、公演への意気込みやミュージカルに出演することへの思いを聞いた。

クリスタル・ケイ(ヘアメーク:KIYO IGARASHI(SIGNO)/スタイリスト:NARUMI OKAMURA) (C)エンタメOVO

-2019年の日本語版初演は、反響も大きかったと思いますが、改めて振り返って、どんな思いがありますか。

 上演を重ねるごとにどんどん盛り上がっていっているのを感じました。内容がすごくリアルで、エグいところもエロいところも怖いところもあるので、それを知らなかった人も多かったんだと思います。初日が開いて、いろいろな意味で想像と違うものだったから、何度も足を運んでくださる方がいらっしゃったり、評判が広がっていくように、見に来てくださる方が増えていったように思いました。私たちは、毎公演毎公演、体を張って、死ぬ気でやっていたので、それが伝わっている証拠だと思ってすごくうれしかったです。とにかく、キャスト、スタッフみんなの心が一つになって、「いい作品にしよう。ブロードウェーのオリジナル版よりもいいものを作ろう」という気持ちでやっていたので、そのエネルギーがすごかったです。

-公演を重ねながら手応えを感じていたんですね。

 お客さんがパワーアップしていっているのを感じました。千秋楽に近くなると、イントロが流れるとすぐに歓声が聞こえてきて(笑)。幕が開く瞬間からサプライズ要素が多い作品なので、初日から皆さんが驚いているのは感じていたのですが、何かのマジックが起こっているかのようにどんどんその反応が大きくなっていきました。

-それはライブとはまた違う感覚でしたか。

 違いますね。この2時間半でしか味わえない世界でした。その違いは何なんだろう…。パフォーマンスをすることは変わらないんですが、物語を描いているからなのかな。歌もあればダンスもあって、イリュージョンもアクロバットもサーカスもあって、本当に目が足りないぐらいの舞台なので、それをみんなが五感を使って感じ取っているのは感じます。その違いなのかもしれません。

-日本語版初演では城田優さんが演じていたピピン役を、今回は森崎ウィンさんが演じます。森崎さんの印象は?

 まさにピピンという感じです(笑)。すごくピュアで、いつも笑顔で、自然体。とてもポジティブなエネルギーを持っている方だなと思います。優とは全然違うから、きっと全然違うピピンになると思いますよ。そのコントラストがすごく楽しいと思いますし、私も楽しみです。

-今回の再演で、どんなところをより深めていきたいと考えていますか。

 前回は振りやせりふを覚えるのにいっぱいいっぱいだったので、今回はよりリーディングプレイヤーの気持ちになって、その心の奥や背景も表現できたらと思います。リーディングプレイヤーのパーソナルな部分まで掘り下げて深めていけたら、一つ一つのせりふも動きも変わってくると思うので。

-今改めて、クリスタルさんから見たリーディングプレイヤーはどんな人物ですか。

 すごくカリスマティックで、頼りがいがあって、パワフル。女っぽいところもあれば、男っぽいところもある。けれども、きっと孤独で寂しい人なんだなって思います。「結局、誰かがいないと駄目なんだ」というところを見せてしまう瞬間があるんですよ。きっとお客さんは「これ、見ちゃっていいのかな」という気持ちになると思います(笑)。人間っぽさというか、生々しさというか…。そんなところも注目して見ていただけたらと思います。