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佐藤流司「俺が出ている舞台が一番面白いと信じてやってきた」 天才・モーツァルト役で橋本良亮と共演【インタビュー】

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 橋本良亮(A.B.C‐Z)がモーツァルトの3本の傑作オペラ台本を書いたイタリアの詩人・台本作家ダ・ポンテを演じ、佐藤流司が天才音楽家モーツァルトを演じる音楽劇「逃げろ!」~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~が、2月10日から上演される。本作は、ダ・ポンテの奇想天外な“逃げる”人生を、史実を基にロックアレンジされた音楽に乗せて描き出す。佐藤に本作への意気込みや、音楽についてなどを聞いた。

佐藤流司(ヘアメーク: 井上まな/スタイリスト:吉田ナオキ) (C)エンタメOVO

-本作の出演が決まり、どんな楽しみがありますか。

 スズカツ(鈴木勝秀)さんが演出をされると聞いて、どんな内容の作品であれ絶対に面白いと思ったので、お名前を聞いてすぐに出演を決めました。橋本さんをはじめ、キャストもそうそうたる方々ですし、自分の役者人生の中でも大事な作品になると思います。笑って熱くなれる作品になるんだろうと楽しみにしています。今回、音楽を大嶋吾郎さんが担当されるのですが、吾郎さんは、以前、俺が出演したRock Opera「R&J」の楽曲も担当されていて、そのときもすごくカッコいい曲ばかりだったんです。今回は、モーツァルトのオペラをロックアレンジするということなので、音楽も楽しみです。

-この作品では、モーツァルトは「真の天才」だが、その一方、音楽の才能以外の常識や礼儀などのあらゆるものが欠如している人間として描かれています。モーツァルト役についてはどんな印象ですか。

 天才だからこそ、常人とは違う人という印象です。稽古が始まってみないとどうなるかは分からないですが、もし、楽曲が先行して完成するのであれば、その歌の感覚から役を作っていこうと思っています。

-もし、台本から役を作る場合には、どのようにアプローチしていく予定ですか。

 まだこれからなので、実際に(そのやり方を)採用するかは分かりませんが、天才は句読点を変なところに打つ話し方をするイメージが俺はあるんですよ。天才は、頭の回転が速いから、早口になったり、どんどん舌が回っていって息が続かなくなって変なところで句読点を入れたりする。そんなイメージがあるので、普通の人とは違うしゃべり方をしてみようかなとは思っています。

-本作のモーツァルトと似ていると感じるところはありますか。

 それはもう「天才」というところ。欠如はしていないんで、そこは違うかな。完全人間なので(笑)。ただ、期日に間に合わせるのはあまり得意じゃないんです。例えば、本当に申し訳ないんですが、取材などで「2日後までにコメントください」という依頼があっても、なぜか3日かけてしまう。

-さらに、モーツァルトは、常に満たされない“不在感”を抱えた人物という設定ですが、それについては共感できますか。

 今の答えと逆のことを言いますが、「自分の人生は完璧だ」という人はいるのかなという気がします。みんな、何かしら抱えているものが絶対あると思うので。中でも、俺は人より足りていない気がしていますし、その不在感のようなものは常々感じていると思います。

-例えば、どんなときに感じているのですか。

 人を見ると劣等感にさいなまれることが結構あるんですよ。ルックスもそうですし、性格も。この人ぐらい優しかったら良かったなとか、この人ぐらい歌がうまかったら良かったなとか、常々まわりの方をうらやましいと思って生きています。

-そうした気持ちを、どのように克服しているのですか。

 仕方ないと思うしかない。この遺伝子で生まれたんだから、自分でどうこうできる問題じゃないと考えるようにしています。「配られたカードで勝負するしかないんだよ」ってスヌーピーが言っていました(笑)。

-ダ・ポンテ役の橋本さんの印象は?

 (取材時点では)ラジオで一度、ご一緒したことがあるだけなので、まだ分かりませんが、ジャニーズの方は何でも器用にできるイメージがあるので、お互いに自分の考えや思いの丈を舞台上でぶつけ合いながら芝居をしていくスタイルだったらいいなと思います。